読書録

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 権力移行

権力移行 何が政治を安定させるのか (NHKブックス)

権力移行 何が政治を安定させるのか (NHKブックス)

自民党誕生と政治改革とを時代の画期とみなして、その政治システムを振り返りながら、本書の扉に記しているように、「官邸機能強化と省庁再編を分析して現代日本政治の難点を剔抉し、政権交代を重ねながら政治が前進してゆくための方途を呈示する」ことをめざしている。
しかし民主党参院選で惨敗した後になると、政権交代の実現性については、相当、遠のいてしまった印象もあり、なかなか長期的に見通すことが難しくなった。ただ、著者が提言する「政権交代を進化させるための制度設計p221」は必要だろうと考える。


提言的な部分として、
p192:現在求められているのは、与党と野党が官僚機構を共同で統制することであり、官僚の側は、現在の与党に対しても将来の与党に対してもそれぞれ能動的に仕えることである。

公務員制度改革の要因として、p194〜1.バッシング、2.専門家批判、3.政治からの統制、4.独立性批判。

政権交代を進化させる4つの提言として、p221〜1.野党も実行可能な政策を構想すべき、2.野党と官僚の接触ルールの整備、3.マニフェストには着手可能な案件を絞り込む、4.省庁再編は慎重に行うべき。

p225:政権交代とは数十年を超える長いプロジェクトであり、私たちがいまだその入り口に立っているにすぎないのである。

p231:(小泉改革も地味な言葉の積み重ねで政策変更)耳目を引く大胆な改革よりも、地道な制度変更の努力と、政策革新の試みを続けることが必要である。


{7/29-8/2読了、記入は9}