読書録

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7大企業を動かす宗教哲学

いったん破たんしてしまった企業もあるが、これまで牽引してきたそれぞれの企業と経営者、その経営理念を、宗教哲学と結び付けて解説している本著の内容は、これまで知らなかった背景が垣間見え、興味深かった。
「おわりに」の項目で、改めて各企業の原型や特徴を紹介しているのだが、
松下電器は、町工場から出発したことが決定的
ダイエーは、問屋から発展し商品化をなしとげた
トヨタは、日蓮主義と報徳思想という農村を基盤
サントリーは、広告文化の確立にも寄与したのは船場の商家という旦那文化
阪急電鉄は、文化や地域開発の鉄道事業モデルだが、創業者の文化的な志向性
セゾングループは、文化の商品化
ユニクロは、創業者の世代的な価値観
いずれの企業も国や社会に貢献することで、人びとの幸福につながってきたともいえるかもしれない。


(目次ー引用)
はじめに;
・経営哲学や理念は共同体を動かす基本原理だ
・宗教教団と企業は同じ角度から分析できる

第1章 松下電器産業(現パナソニック);
・徹底した人間中心主義の人間観
水道哲学天理教から生まれた
・勤勉の哲学は、プロテスタントの「天職」に通じる
・グループ別に祭神、龍神がいる
・五精神と根源の杜、独自の神を祀る
事業部制と本部制の本質は、町工場の集合体


第2章 ダイエー
ダイエー対松下⇒生産者と販売業者のどちらに価格決定権があると考えるか
・中内は損得勘定のできない経営者だった
・実は知的な人物だった
・「単品を、大量に、計画的に、売っていく」


第3章 トヨタ自動車
自動車産業とスーパーは密接な関係がある
トヨタ生産方式は「秘儀化」している
・徹底して無駄を省く
日蓮主義が豊田佐吉に影響を与えていた
報徳思想トヨタに与えた影響⇒四綱領=至誠、勤労、分度、推譲
挙母という土地から離れない
トヨタを貫く突出した人間を生まない村の原理
トヨタ教は、土地に根差した宗教である


第4章 サントリー(サントリーホールディングス);
・創業者・信治郎は信仰に熱心だった
・広告を戦略にする
・敬三は船場の旦那であった
・洋酒報国転じて洋酒天国
・道楽が事業につながっていく


第5章 阪急電鉄(現阪急阪神ホールディングス);
・終点に神社仏閣があるのは偶然ではない
・宗教ではなく、芝居に影響を受ける
・「乗客は鉄道が創造する」
・失敗から生まれた宝塚というエンターテイメント
・劇場から百貨店まで開発


第6章 セゾングループ無印良品
・「西の小林・東の五島」
・康次郎の信仰と「西武天皇制」
・経営者と文学者、二つの顔が矛盾を作る
無印良品には反体制思想と共産主義が込められていた


第7章 ユニクロ(ファーストリテイリング);
ユニクロのすべてを経験した経営者になる
・「店長が最終目標なのである」
・極端にまで推し進めた「オン・ザ・ジョブ・トレーニング」
団塊の世代の経営哲学は、継承は難しい⇒起業家十戒、経営者十戒、23箇条の経営理念


{7/25-29読了、記入は8/10}