読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた

タイトルだけ読むと、ソニーに好意的に見えるが、中身を読むと、ソニーがいかにダメになったかを逆に浮かび上がらせている。アメリカに留学するとともに、コクーンスゴ録、ネットワークなど事業を引っ張ってきた著者は、相当、自信があるのだろうけど、一面的なところがあるかも知れないとは思う。ただ、現実にiPodに負け、ソニーに対する信頼が揺らぐ中では、なぜそうなったのか?本著を読んでも、トップマネジメントの主導権争いがあったのか、判然としないところがある。出井氏の時代に傾き始めたようだが、大きな組織になりすぎたのが悪かったのか?、自由で新しいことに取り組む社風というのが、グーグルやアップルに受け継がれている、という点で、本著のタイトル通りなのかも知れないが、それにしても寂しい。

思えば、PCもNECの98時代から、VAIOに移り、直近ではとうとうソニーから離れてしまった。約10年前のソニー製のminiDVとSVHSの一体型デッキが先ごろ故障して修理に持っていったら、直らないという。どう見ても電源部だけの故障なのに、「部品が生産中止になった」と返品され、確かに保管制度ではそうなのだろうけど、ソニーという企業に対するイメージからすると残念。DVにはいろいろ思い出の映像が残っているだけに、ある程度費用がかかっても直してもらうつもりだったのに、どうにもならない。同じように、レーザーディスクカセットデッキも直してもらえなくなり、だんだん離れていくのもやもえないかと感じていた。

それにしても著者はエネルギッシュだ。社員へのメールや呼びかけ、標語の作り方、チェンジ&チャレンジ(2009年1月社長就任時:変革と挑戦)というスローガンなど、どこでも通用しそうだし、肝に命じておきたい言葉ではある。



(目次ー引用)
第1章 さらばソニー
p25:(ソニー社内の実態)「勝つためには手段を選ばず」的な志の低い企業行為の数々。時代感覚をなくして世の中のメガトレンドに疎く、プライドやビジョンや技術を軽視した保守的な言動。幾多の実績を挙げた功労者や自らリスクを取る挑戦者たちを極端に粗末に扱い、しかもそれをなんとも思わない無神経な人々の横行。新しい企業価値を生み出すことに賭ける腹の据わった度胸と忍耐力の欠如。見苦しい嫉妬と足の引っ張り合いやモラルハザードが日常化した結果、内向きに消費される無駄なマイナスエネルギーの極大化。

第2章 グーグルに出会う;
p41:(入社試験)地頭の良さ。知識などよりも、未知の課題に対して、答えを導き出す道筋を論理的に構築できるかどうかが問われる。

第3章 ソニーからキャリアを始めた理由;
p50:設立趣意書「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」

第4章 アメリカ留学;
p81:結果的には、自分を誘ってくれた部長が弁舌さわやかながら具体的なアクションをまったく取らない人であることがわかると激しく対立するようになり、一年位でそこを追い出されることになった。←こういう経験、あったというかわかる気がする。

第5章 VAIO創業;
p104:ソニーでは、「上司にやめろと言われたくらいでやめるようなら最初からやるな」というカルチャーがあった。

第6章 コクーンスゴ録のチャレンジ;
p111:First Hundred Days(最初の100日が肝心)

第7章 ウォークマンがiPodに負けた日;
p166:2ちゃんねるに「辻野ってどうよ」というようなスレッドが立つ

第8章 グーグルの何が凄いのか;
p182〜グーグルが見つけた10の真実

p197:20%ルール=主にエンジニア中心に、持ち時間の20%は本業以外のテーマに使うことを奨励する

第9章 クラウド時代のワークスタイル;
p221:私は、企業がクラウドを導入する本質は、IT投資の削減などということだけではなくて、社内のコミュニケーションや情報シェアを促進して経営のスピードを上げる、という点にあると考えている

第10章 グーグルでの日々;
p225:5つのキーワード、
Solidarity(連携),Accountability(説明責任),
Commitment(約束),Contribution(貢献),Motivation(意欲)

第11章 グローバル時代のビジネスマインドと日本の役割
p250:「何かを得るためには何かを代償にしなければならない」「失うものがあれば必ず得るものがある」は人生の基本哲学である。


{6/3-6読了、記入は11}