読書録

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輝く会社のための女性活躍推進ハンドブック

輝く会社のための 女性活躍推進ハンドブック

輝く会社のための 女性活躍推進ハンドブック

一定の規模以上の会社で「管理職に占める女性の割合を増やす」ことが義務づけられる女性活躍推進法が、8月28日参院本会議で可決・成立した。本著はこの法律への対応を先取りする形で課題や方策などをわかりやすく解説している。
『女性活躍推進の目的は、「結婚」や「出産」の奨励ではなく、時間的な制約条件があっても、十分にその意欲や能力を発揮できるような環境や制度・仕組みを整え、あらゆる価値観をもった女性達のより一層の活躍を促していくことなのだ、という正しい認識をもって臨む姿勢が大切なのですp163』というまとめは、考え方として随所(p36⇒制度や仕組みは介護という制約を背負った男性にも十分に応用、p66⇒働きやすさだけでなく管理職を目指せる制度や環境)に繰り返し出てくるが、重要なポイントだと考える。
冒頭に紹介される『2030』(ニイマルサンマル=社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%にするという目標)は、2003年に内閣府によって女性差別撤廃を目的に定められた目標で、当時9.2%が、2012年でも11.1%という状況のなかで、成長戦略として改めて意味合いが変わり、現在、急ピッチで実現に向けて進められることなども紹介されている。


出版したディスカヴァー・トゥエンティワンのサイト⇒ http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799316887

著者が代表をつとめる 株式会社CHANCE for ONE のサイト⇒ http://www.chanceforone.jp/

備忘録としてポイントをいくつか引用
◇女性活躍推進実現が難しかった背景として、育児と仕事の両立に悩み、いわゆる「マミートラック」(母親向けの出世しないコース)に乗ることを本人が選択したり、周囲の意向や会社の方針によったりして、昇進意欲が低く、時間的な制約条件も有る、というマトリックスの右下に移動する人がいるp59

◇女性が昇進意欲を持てない理由は、日本の企業における管理職登用の制度が、時間的な制約条件がない人をベースに整えられているからp60

◇「採用」「定着」「登用」の3つの基盤段階での課題を縦軸に、「機会創出」「制度支援」「意識醸成」の3つの領域に分類して9フレームに落とし込んで整理するp87〜⇒このうち「登用」*「制度支援」のマスには、
・時間重視の制度のため短時間勤務者がマイナス評価
・早期育休復帰支援の制度がないため金銭的な負担が大きい
・管理職は転勤経験が必須の制度のため、家庭を持つ女性が管理職になりにくい
・管理職の会議が業務時間外に行われるため、子育て中の女性が管理職になりにくい
と記載されているが、その通りだろう。このマスのとなりの「登用」*「意識醸成」で
・管理職を固辞する女性が多い、
・管理職に登用した女性が孤立感を抱いている という面も確かにある。

◇女性の活躍を進める会社では、SNS、メール、掲示板などの活用や、定期懇談会、定期面談などの実施により、休業中の社員と会社がつながれる仕組みを導入する動きが進んでいるp131+インターネットを使った会議や電話会議を導入する、時間外の連絡はメールにするなど、時間に制約のある人でも管理職が勤められるような仕組みを整える必要がある。また部下の仕事のすべてを管理させるのではなく、状況に応じて部下が個人の采配で進められるような業務進行に変化させることも併せて必要p140+★マニュアル化を進め、仕事を属人化させないp156

◇女性を管理職候補として育てるには、男性と同様に、女性にも成長する機会を与え、そしてさらに「鍛える」ということが重要になるp142+あらゆるタイミングでコミュニケーションを密にとりながら、状況や意向について細かに確認し、会社からの期待についても伝え続けることが必要p151+★管理職になるメリットを率直に伝える★p158⇒会社や社会に貢献できる幅が広がる、部下やチームをまとめてゴールに到達する喜びは何にも代え難い、成長欲求にそい自分の意見やアイデアを直sつ経営陣に伝え仕事が実現できる可能性が広がる、時間管理や予算管理も自分の権限でできる⇒昇進すればするほど業務の自由度は上がる+金銭面でも時間あたりの賃金単価が高くなるvs女性が出産や育児をへて管理職をめざすことは大変な努力が必要だが、何十年もの長い労働時間の中で両立が大変なのはほんの短い時間だと考えることもできるp160

◇長く組織で活躍するためのコツとは…時代の変化を読み取りながら、学び直したり、視覚を取り直したりするなどの、自分を高め続ける努力も不可欠p167、+完璧なロールモデルを求めないp168、+利用率支援の制度を活用しすぎることの落とし穴=キャリア形成においてはかえって不利になるケースがあることを知るp169


{8/26-27読了、記入は29}