- 作者: 峯村健司
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/02/26
- メディア: 単行本
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副題にあるとおり、「中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争」として、中国共産党史を描いていて、現在の習近平体制がいかに誕生したか、なぜ体制が盤石になったのか、よくわかる。現場に近づいてファクトに迫ろうとする著者の姿勢もすごい。あとがきに、和歌山カレー事件、信楽高原鉄道の求刑などもスクープしたと書いているが、いかにネットが発達して情報が素早く手に入るようになったとはいえ、公表されない事実というのは、粘り強い取材によってこそ得られるということも教えてくれる。
出版した小学館のサイトに目次あり⇒ http://www.shogakukan.co.jp/books/09389754
備忘録的にいくつか引用
◇江沢民の反日は、「旧日本軍の協力者の子」という不都合な一面を隠す一面も。朴韓国大統領とも重なって見えるp162
◇中央宣伝部が作ったマニュアル「報道官訓練教材」で、五毛党(1回の投稿で9円が支給されるサクラ)に書き込みをさせる際の注意事項:1)一つのマイナス情報に最低3つ書き込む、2)同じユーザー名やIPアドレスを使わない、3)小学6年生でもわかる簡単な文章を書く、4)職場のパソコンは使わず投稿ごとに文体を変える p171
◇習近平の人格形成に与えた文革の影響:他人のことを簡単には信用せず、権力こそが唯一のよりどころだと信じるようになったp204
◇2007年胡錦濤が召集した会議で初めて行った民主的な投票で、後継者とみられた李でなく習が圧倒的な多数を得た。p215
◇汚職摘発で江沢民の影響力を排除し、権限を一手におさめたp305
{6/6-12読了、記入は20}