読書録

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私が弁護士になるまで

元フジテレビのアナウンサーが、仕事の幅を広げようとロースクールに通い出した1年目、2005年の夏に未成年タレントとの飲酒事件を起こして番組降板したあと、2回目の司法試験で合格して弁護士になるまでの軌跡を丹念に紹介している。試験の仕組みや勉強の仕方も、なるほど大変だということが良くわかる面もある。それにしても決断と努力、すごいと率直に思う。


出版した文藝春秋のサイト→ http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167902834 (書評やインタビューへのリンクあり)


本著で引用されている話など備忘録として以下に
早大法学部出身でアナ時代に大宮法科大学院ロースクール
◇ある弁護士に言われた言葉「弁護士は強くなければ生きていけないし、やさしくなければ生きていく意味のない仕事である」に惹かれるp47←これって、レイモンド・チャンドラーが書いた私立探偵フィリップ・マーロウの「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない」という有名なせりふをもじったような気もするが。
◇退社の決断を悩んだ頃によく聞いていたのが、ケミストリーの「アシタヘカエル」+長谷川豊アナ企画の「とくダネ!」仲間との箱根卒業旅行で、スピッツの「空も飛べるはず」を車中で歌うp54
◇もがき苦しんでいた時に友達が渡してくれたエンデの『モモ』の中の「掃除夫ペッポの言葉」:一度に道路ぜんぶのことを考えてはいかん、つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、次のひと掃きのことだけを考えるんだ。 すると楽しくなってくる。これが大事なんだな」p63
◇司法修習最後の授業で教官の言葉「自分の理想とする法曹は、優しくて強くて能力のある法曹だ」優しいだけでは実務は通用せず、強い人は能力がなく、能力がある人で優しい人は少なく、すべてを兼ね備え中でも優しさを忘れないように。が座右の銘になりそうp209
◇弁護士という仕事は、仕事を通して人を励まし、勇気づけ、窮地から救うことができる仕事である。人が好きで、誰かのために何かをしてあげることに喜びを感じられるこの仕事を、まだ天職と言えるほどではないが、誇りに思う。p259
笠井信輔アナの解説より「人生は一人で歩むより二人で歩む方が楽しく力強いが、難しい。まだまだ、菊間の山あり谷ありは続くのだ」

{3/24-4/3読了、記入は4}