読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

親ができるのは「ほんの少しばかり」のこと

きょうは成人の日。よく育ってくれたと思いつつ、どこまでどうか関わるのか、悩ましいところも多々あり、ふて手にした本著では、結局、タイトル通りのことで、少し安心する。「人間なんてほんとうにどうしようもないものなんだ、という認識が基本になければいけないと思いますp41」と、マイナス感情をおさえたりないようなつもりでいると、歪みとなって暴力的に噴出しかねないとも指摘し、配偶者以外の人を好きになることがあっても不思議ではなく、あえて問わないというような知恵がないと人生は辛いものになるというところ(p43)など、味わい深い人間ドラマを数々送り出してきた著者の生き方の知恵なのだろうか。矛盾だらけを受け入れつつ、ほんと、できることは、ほんの少しばかりのことなのだろう。


出版したPHP研究所のサイト⇒ http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-69887-8


印象に残ったポイントなど以下に引用
◇夫婦喧嘩のあと仲直りの場面は、「勝手に、もっといい加減なもんなんだよ人間は、って教育しているつもろなんですがp62)」
◇p135:「守れないことがある」「できないことがある」という部分が自分にもあるじゃないか、他人にもあるじゃないか、ということを教えるのは、やはり家庭ですね
◇p143:生活上のハウツウは子供に伝えてきましたが、読んだ本とか聴いた音楽など、自分が若いときから蓄積したものをほとんど伝えていません。どうも、いいものも親がすすめると嫌になってしまうのではないか、というように思ってしまいます…大抵自分で買って読むほうがいいのだ、と思い直します。…自分で探して見つけたほど感動が薄いということもあるような気もします
◇p148:生きる意味を考えることは人間の尊厳だなんていう人もいるけど、そんなのは人間の勝手ないい草で、意味を求めてしまうのは、人間の業みたいなもの、病気みたいなおのだ、ぐらいに考えてちょうどいいのかも知れません。…p150少なくとも、自分のとはまったく反対の価値観もこの世にはあるのだ、と考えることの大切さを感じます。
◇p155:子供が「なにを好きか」を基準にする他はない。それを助けることしか、親のできることはない、と思います。…p156:いくら時代の価値観では上位の職業でも「嫌い」なら仕方ない。不安定で、成功率は低いと思っても「好きだ」という仕事を選ばせるしかない。それ以上に親が口を出す権利はない。
◇p160:たしかに、いくつか、私のいうことには矛盾があります。生きる意味など考えなくたっていいのだといいながら、それでも考える人間の方を愛しているような口ぶりだったり、親は無力だといいながら、子どもに集中する親のかけがえのなさを評価し、そのくせそういう親から逃げ出さなければ手に入らない真理もあるといってみたり。…人間は整合性に基づいてつくられているわけではないので、人間に関する言葉が矛盾するのは当然です。一貫性がなくて当たり前だと思っています。


{1/03-05読了、記入は12}