読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

『親の品格』 坂東眞理子 著

親の品格 (PHP新書)

親の品格 (PHP新書)

とても当たり前のことが書いてあるのだけど、実際にどうかというと、怪しい。手伝いをさせるとか、食器を流し台に運ばせる、などは、注意しながらさせるように心がけてはいる。しかしわが身を振り返って、こうありたいなあ、とは思うのだが、現実には、どこまでできているだろうか?とくに「悪口を言わない」というのは、ついつい不満が鬱積してストレス発散をかねて言ってしまうことがあるので、なるべく避けないといけない、とは思う。

あとがきにある通り、今大事なのは、「品格をもって生きる人間に育てることです。子どもが心身ともに健康で、自立した社会人となり、家族を形成すし、愛し愛される人間関係をもてる人間になることです」p235として、親がその手本になるとともに、子どもに愛されているという確信を与えなければいけない、ということがポイントか。それにしても、福岡と千葉の子どもが巻き込まれる事件が相次ぐ悲しい世の中で、無事に育ってくれるだろうか。


p22:子どもを可愛がり欲求をかなえてあげようというアメリカ50年代のスポック博士の育児書によって育てられたインテリの中流家庭の子どもたちが、社会人として適応できなかった。
p25:子どもの欲しがるものを次々に買い与えるのは、気の散りやすい、がまんのできない、集中力のない人間を助長しているようなものです。

p39:社会に出ていろいろな人を見ていると、素直な人の方が伸びています。
p58:家事をするのは夫か妻かと押し付けあうのではなく、子どもも含めてみんなで分担する、これが当たり前の姿です。
p74:子どものしつけのポイントは、一貫性にあります。
p76:子育ての目標は何でしょうか。それは、親から自立した人間にすることです。
p87:人の悪口を言っているときのあなたの態度は立派でしょうか。嫉妬心や高慢さ、意地悪さをむき出しにしている親を、はたして子どもは尊敬するでしょうか。
p108:うそをつく、傷つける、いじめる、乱暴をする、責任をとらないなどの「悪いこと」は、人が見ていても見ていなくても、相手が許しても許さなくても、「悪いこと」なのです。その基準が、すなわち倫理感です。この倫理感、人間としてなすべきこと、してはいけないことをしっかり判断させましょう。
p184:ビデオやテレビでも、親子で一緒に見ながら批評しあう、感想を語り合うことで、子どもとの共通の話題をつくる機会として利用できます。
p200:(晩婚化、非婚化とパラサイトシングルについて山田昌弘さんは)自分の収入が低くても親の家に住んで、そこそこの暮らしをしている若者は、結婚によって生活水準が落ちることを拒否するので、経済力がある相手に巡り合うまで、けっこんしなくなっているのだと分析しています。
p205:若い人の「引きこもり」という現象は、日本独特だといわれています。なぜなら日本ほど親が大人になった子どもを扶養できる経済力をもった国はどこにもないからでしょう。

p218:(介護)できるだけ親は自分の健康を維持するように、食べるものに気をつける、筋肉をつけ転倒予防、介護予防の運動をしっかりする、心を明るく保ち生活することなど心がけ、人事を尽くして天命を待ちましょう。
p227:若いときには見えなかった人情の機微、人生の知恵、「情けは人の為ならず」「損して得とれ」などという諺の意味を、実感を込めて次の世代に伝えましょう。
p229:(仏典「修証義」から好きな言葉「愛語」)愛に満ちた言葉、相手を温かく思いやる言葉は、必ず時空を超えて人の心を動かします。一つでも二つでも愛語を発し続けることによって、あなたの社会的DNAは次世代に伝わっていくことでしょう。

{地区センターで9/21借り22読了、記入は23}