読書録

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『親の愛はなぜ伝わらないのか』佐久間真弓 著

親の愛は、なぜ伝わらないのか!?

親の愛は、なぜ伝わらないのか!?

今月19日に、川口市で、中学3年の少女が、「勉強しろ」といった父親を刺殺する事件があったが、この父娘の年齢関係は、ほぼ我が家と同じで、他人ごととは思えない。

この本では、2005年5月におこった「板橋両親殺害事件」などの事件を追いながら、「マルトリートメント(不適切な養育)」という問題について考察していく。少年の「今思うと、ロボットみたいに決められたプログラムをこなしているという感じだった。人生がつまらなく無機質だった」(p16)という言葉には、「心理的な虐待」(p27)があったという。この少年に必要だったのは、「親から愛されている、受け入れられている」という実感(p31)で、これまで読んだ子育てハッピーアドバイスなどにもよく出てくる「自己肯定感」なのだろう。著者らは、子による親殺し事件を列挙して、親が子に甘える「マルトリートメント」が課題だ俯瞰している。

ではどうしたらよいのか?さまざまな識者の声を紹介しつつ、以下のようなことを提言している。
p169:ヘルプからサポートへ:子どもを変えようとするのでなく、親の接し方を変えること、それが思春期の子どもを持つ親の心構えと言っていいだろう。
p248:ラストストローとは、「最後のワラ」で、積み重なったストレスをワラの山にたとえ、最後の一本であっという間に山が崩れる様子から、ささいな理由で感情爆発を起こすことをさす。・・日々のマルトリートメントによって追い詰められた末の爆発であることを重視すべきだと奥山さんはいう。
p236:求められるのは、やはり相手に共感するという能力です。人間の共感力が自由度をの高い社会を支えて行くといっても過言でないでしょうと」と奥山さんはいう。・・社会全体が子どもたちの抱えている問題に関心を持ち、人間への共感性を養うことができるかどうか、ひいては他者に対する愛をどれだけ育てられるかという問題ではないだろうか。今、私たちは、子どもに対する見方を通じて、それぞれの共感力が試されているのだろう。

よく夫婦喧嘩で僕が腹を立てるのは、あれして、これして、あれはだめ、(具体的には、ご飯をたいて、おかずを用意して、子どもの資料をかたづけて、子どもをおこして、ウィンナーは買っちゃだめ、イーストフード入りのパンを買うなんてだめ、など)とたくさんの命令を受けるときだ。子どもに対しても、勉強しなさいから、ちゃんと起きてご飯をたべよ、靴をそろえよ、学生服はちゃんとかけておけ、配布物をちゃんと渡せ、忘れ物をするな、などなど命令が多くなりがち。今のところしぶしぶながら従っているが、僕でさえ爆発するのだから、いつかは爆発する可能性がある。「親は厳しかったからこんなの当たり前」と連れ合いはいうが、ちと考えてもらった方がいいような気がいつもしている。でもこれをいうと、また喧嘩になるのがさみしい・・

{フォーラムで6/29借り7/22読了、記入は23}