読書録

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人は死ぬとき何を思うのか

人は死ぬとき何を思うのか

人は死ぬとき何を思うのか

表題の疑問に5人の識者が答える内容だが、まえがきにあるとおり、「死を考えることは、生を充実させることだp7」という一点について、思いが共通している。
渡辺和子さんの『置かれた場所で咲きなさい』は、この読書録でもすでに書いたところ( http://d.hatena.ne.jp/MrBooPapa/20130430 )だが、改めて生き方について考えさせてくれた。


出版したPHP研究所のサイト→ http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-81929-7
セブンネットに目次あり→ http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1106415937/subno/1


著者5人と印象に残ったポイントを引用して以下に。
◇渡辺 和子:ノートルダム清心学園理事長:
p20:せめて私たちにできることは、死を絶えず身近なものとして、忘れないように生きていくことではないでしょうか。それは、いつ死を迎えてもよいような日々を送ることだと言えるかもしれません。
p40:学生たちと使っている合い言葉が、「面倒だから、しよう」
p43:(小さな幸せを忘れないため毎晩寝る前に実践)その日経験したささやかな幸せに「神様ありがとうございました」と感謝することです。それも一つでなく三つ探すのです。
フランクルを引用して、最愛の妻に先立たれた中年男性に、では先に死んでいたら良かったかと質問すると、そんな苦しみを味あわせたくないと答え、それで奥さんがその苦しみを味わなくて済んだことで、「今妻の代わりに苦しんでいる」と見方を変えて、相手が栗シミを味わわなくてよかった」と思うことができたという。p45-46


◇大津秀一:ホスピス医で東邦大学医療センター大森病院緩和ケアセンターでケアチームを運営:
キューブラー・ロスの否認→怒り→取引→抑うつ→受容の五段階を紹介p51
・余命予測より死期が遅くなるのは、自分の病をことさらに意識しないタイプp65
p84:「いつやるの?今でしょう?」できることは、たくさんある。


◇石飛幸三:血管外科医で、特別養護老人ホーム・芦花ホーム常勤医:
p112:「口から物を食べる」という行為をしなくなるのは、やはり生命を維持する力に限界が来ていることを意味しているのです。
p103:自宅やホームで自然に亡くなられたご遺体のお顔や手足は、とてもきれいな状態なのです。


青木新門:冠婚葬祭会社(現・オークス)顧問で、映画『おくりびと』の元になった『納棺夫日記』著者:
p152:死を五感で受け止めるとき、命がバトンタッチされる


山折哲雄国際日本文化研究センター所長など歴任:
p178:(死者を弔うマナーも大事にしなくなり、直葬脳死移植が登場したことに対し)こうした問題を解決するためには、生のみに偏った現在の死生観をリセットし、再び詩を身近なものとして認識する必要があるのではないか。
p186:(仏教における無常の三つの考え方→地上に永遠なるものは一つもない+形あるものは必ず壊れる+人は生きて、やがて死ぬ

{10/16-17読了、記入は19}