・近年発覚した医学部不正入試問題と根深い女性への偏見・問題を、前向きになれるエンディングでまとめていたことに感服した。
・ブラックウェルの言葉が各章で登場、これまで知らず、生き方も知って感銘を受けた。p250,261
「もし社会が女性の自由な成長を認めないのなら、社会の方が変わるべきなのです」
印象に残った部分など以下に引用↓
医大の解剖学実習で組まれたのは、異例ともいえる女性4人だけの班だった。城之内泰子教授の指導の下、優秀な成績で卒業した彼女たちは、真摯に医療の道を歩む。(サイトより)第二章 アイ・スペシャリスト 長谷川仁美(ひとみ)・高いオペ技術を持つ眼科医。けれど医局での出世すらできない現実に突き当たる。p41:仕事仲間になるとは、男の仲間になるということだった。p54:「ものもらい!」「お姫さん!」かつて診療した男性と出会うp103:「俺も悲しいんだよ。すごく心配なんだ。おじいちゃんは、俺にとっては父親だから」・・生命工学研究室でマウスの観察を続けながら、自分の研究が将来の医薬品開発につながるのを願っていること★(認知症の父を孫がそっと見守っていた)p186:「これ、道草ですね」第五章 NICUチーフ 安蘭(あらん)恵子(けいこ)・新生児科医であり、一児の母。勤務中、突然身体に異変が生じて……。p215:(一度は秘匿された事実の開示)「すべてのことを先生がお話くださって、むしろこの病院は信頼できると思いました。次の子も、こちらでお世話になりたいと思っています」★第六章 解剖学教室教授 城之内泰子(じょうのうち・やすこ)p232:脳の性差は存在しないp233:最終講義「男性医師たちよ、どうぞ偽りなく誠実に、そして親愛なる女性医師たちよ、勇敢であれ!」p239:「あなたたちがいる場所で、どんな医師がいればいいのか。それは自分で見つけていくしかない。そのとき思い返してほしいの。患者の役に立つ人が医師なのだ、ということを」
・2018年に発覚した日本の複数の大学の医学部が、女子や浪人生を不利に扱う、特定の受験生を優遇する、といった不正入試を行っていた問題
・本著の背景には医療現場、女性の働き方への疑問など、さまざま今の課題が触れられている。
・それにしても、著者のプロフィールは、以下で触れたが、生き方としても素晴しいと思う。
・これを書いている一週間前に、総選挙の投開票が終わったが、女性議員の割合は相変わらず少ないまま・・社会がよりよくなるため、著者のますますの活躍を期待したい。
{2021/10/28木-29土:読了、記入は11/7日}