涙なしでは読めない一冊。これからの医療のこと、これまでのことを思い起こしながら、心を揺さぶられた。映画化されているが、レビューを見ると、本を先に読んだ方が良いのかも知れない。
まず、主要な登場人物をメモ。ネタバレにもなるので以下、注意。
・白石(しらいし)咲和子p7,救急医療から金沢の故郷で在宅医療へ
・野呂聖二(のろせいじ)p9(兄消防士で殉職p206),
・加賀大学医学部附属病院の神経内科医だった父87歳・達郎p29、
・仙川(せんかわ)徹p32在宅医療に取り組む金沢の診療所長、
・星野麻世(ほしの・まよ)看護師、嫌で出た旅館に両親p46,
・柳瀬尚也(やなせ・なおや)STATIONのマスターp93,
・若林萌(わかばやし・もえ)6歳腎腫瘍ステージ4、p283
発刊した幻冬舎のサイト↓
印象に残ったポイントや言葉を以下に引用する。
p27:命を救う行為に限界など設けたくはない。 ←TBS日曜劇場 MERを思い出す・譫妄(せんもう)1神経質になったり、2錯乱状態に陥ったり、3幻覚を共無いようなケース、4)寡黙に p85:第1章「スケッチブックの道標」:在宅での老々介護(解説より)★徳三郎が妻のシズから「アンタと魚屋できてよかった」p88第2章「フォワードの挑戦」:在宅医療でできる最先端の技術を探る(解説より)★再生医療を始める江ノ原に、会社の仲間が「ハカ」と「One for all,all for one」の横断幕p148第4章「プラレールの日々」:終末期を迎えた患者とその妻の再生(解説より)p231:なんでもなかった日々が、いかに貴い時間であったことか。父は嬉しそうにうなずき、静かに目を閉じた。p264:入院からまだ3か月しか経っていない。なのに骨折をきっかけに、ドミノ倒しのように次々と新しい病気に見舞われて全身の衰弱が進んでいた。よくあるケースだが、家族にとって、これほど苦しいことだとは想像できなかった。★「人生は一局の将棋なり 指し直す能わず」宮嶋の字・菊池寛の言葉 p273第5章「人魚の願い」★萌「死ぬ前に海につれて行って!」p306→千里浜(ちりはま)なぎさドライブウェイ→健太と祐子「何のために生きているのか・・・。私たちは臆病すぎました。大切なことがわかっていませんでした・・萌の望みをかなえてやってください」p313、第6章「父の決心」p349:「停車場があったな」父がつぶやく。p356:「ありがとう。もう、思い残すことはない」「苦しくてどうしようもないとき、マスターならどうする?」p357→「思って行けば実現する。ゆっくり行けば到着する」モンゴルの格言と柳瀬p361
この読書録を記入している2021/09/26日の朝日新聞記事が著者を取り上げていた。
この小説は、吉永小百合さん主演で映画化されていて公式のサイトと、レビュー関連んのサイトを以下に。映画.comでは3.1など、評判がどうも微妙なのは、なぜだろう・・・。重松清さん原作の「その日のまえに」の映画化で、大林宣彦監督作品も、評価が3.1で、読んだときの感動が映画では感じることができなかったことがある。本を先に読むか、映画を見るか、なかなか難しい。
このサイトから一部引用→話題の映画「いのちの停車場」の原作を手がけた、医師で作家の南杏子さんがテレビ初出演!医師で作家なんてスーパーエリートなんじゃないの?と思ったら、挫折や波乱に満ちたユニークな人生模様。30代で子育てをしながら医学の勉強に励み、さらに55歳で小説家デビューを果たした南さんのチャレンジ満載の生き方とは!?
ドラマ10 ディア・ペイシェント〜絆のカルテ〜 についても見ていたのでメモ
7-9月クールのドラマで視聴率が最も高かったのは、これを書いている時点では、「TOKYO MER~走る緊急救命室~」で、この本の冒頭プロローグが救急医療現場で重なった。医療現場がドラマで取り上げられるケースは、コロナ禍で大変な状況が続いているなか、これからも増えていくのかも知れない。
著者のこれからの活躍に期待したい。最新刊も出ているようで読んでみたい。
{2021/9/21火-25土_読了、記入は9/26日}