- 作者: 和田伸一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/04/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「p72インターネットを推進した国家/資本主義/創造的生産集団という三つの尖端が、ガタリのアレンジメントの三つの要素(国家、市場、生産)に対応している」と著者が書くように、ガタリとアリエズによるモデルをベースに、ネットにあてはめながら論拠を展開しているように思う。哲学分野を含め論文からの引用も多く、正直、どう理解して良いのか、自分の能力を超えていると感じた。学問というのは、事象を分類・整理することでパラダイムを提示し、わかりやすく説明することではないかと考えるのだが、この分野の専門家の著者には、新書でぜひ一般向けに書いていただきたいと思う。
amazonの本著サイトに目次掲載あり。
出版した講談社のサイトは⇒ http://bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2585502
トピックスとして、ハッカーの「ルールを破る」(グレアム)倫理がインターネットを生み出す力の一要因となり、2007年ニ17歳のジョージ・ホッツがiPhoneをジェイルブレイク(脱獄)して制限を解除、2011年にソニーのPS3を同様にハックした際、法的措置を講じたソニーにサイバー攻撃が相次いだこと(p24-41)は、ユーザーから自由を奪い制限することに対する忌避感、オープンにリソースを共有しあい改善していくという精神だということは、ここにメモを残しておきたい。
また、冷戦期に軍事技術としてインターネットが開発されたという背景については、ある意味知られていることで、「アナログ技術に基づいたマスメディアによって国内統治を有利に進めp92」たことや、その先の著者がいうスマホの登場による「再軍事化p188」が新たな動きという指摘などは、興味を覚えたポイントではあります。
{2/6-9読了、記入は11}