- 作者: 今野浩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/06
- メディア: 単行本
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本著に書かれたことの97%は真実、3%は脚色、一部を仮名と「はしがき」にあったため、ほとんどが事実なのだろうと想定すると、大学での仕事というのは、なかなか大変なところだというのがよくわかる。子どもが理系の大学をめざしているだけに、こういう実態を知ると、文系の自分としては、どうアドバイスしてよいのやら、困ってしまう。少なくとも、本著と高学歴ワーキングプアは、読んでおいたらどうかと薦めても良いのかも知れない。金融工学やORという先端の分野で研究・教育にあたってきたという著者の筆致は、とても楽しく、この前に出版された著作を読んでみたいし、工学部の教え7か条について、もっと詳しく知りたいと思った。
(目次−引用)
1 自宅潜伏1週間;
◇講演料10万〜、カラ出張(出張取りやめになっても行ったことに)
2 経歴詐称;
◇助教授→准教授でテニュア(修身在職資格)など厳しさ+工場博士
3 服務規程違反;
◇海外出張とビザ申告
4 幻の奨学寄附金;
◇研究費が年150万円と少ないなかで、企業から寄付金
5 単位略取;
◇ハニートラップの危機も
6 違法コピー;
7 大学という超格差社会;
◇工学部の教え7か条「エンジニアは、仲間から頼まれたことは、(特別な理由がない限り)断らないこと」
8 セクハラとアカハラ;
9 研究費の不正使用;
◇W大学の有名M(女性教授)が、学生名義の架空アルバイト料1472万円を自分の口座に入れ
10 論文盗作とデータの捏造;
11 領土略奪事件;
◇定員の奪い合いとダミー人事
◇「NP困難問題;問題の規模が100倍になると、計算量が2倍、すなわち10の30乗
12 キャンパス殺人事件;
◇中央大学時代に、面倒を見た学生に逆恨みされる
13 原発事故;
◇太陽光や地熱などの自然エネルギーは、当分の間産業文明を支えるものになりえない。したがって当面は、悪いものの中心からより悪くないものを選択せざるを得ない。
{12/13-15読了、記入は同日}