読書録

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じじいリテラシー

じじいリテラシー (星海社新書)

じじいリテラシー (星海社新書)

著者が2回の失職から学んだ「じじい転がし」の極意は、やりたい仕事をするために、組織でどう生きていくか、のわかりやすいマニュアルになっている。自分はむしろ、「じじい」に分類される方だから、本著での言い回しには抵抗感を感じるところもあるが、過去を振り返り、こういうタイプの方々がいたなあと実感する。では自分は、となれば、著者が最後に挙げている「耕作」がもっとも理想なのだろうけど、なかなかそうはいかないところがある。また、そのタイプでも、「社内ロビー活動」ができるかどうかによって、出世が分かれるというのは、組織はそういうものだろうとも思うし、若いうちはあまり考えないけれど、あまりに“個人主義”でやっていても、組織では働きにくく、そこにどこかでは気づいてもらえればということか。
ある意味、「相手の立場にたって考える」ことができれば、自然と身につくリテラシーでもあるように感じた。
著者にはオフィシャルブログもあるようで、2005年の流行語大賞にノミネートされた「おひとりさま」が、著者の発行していたメルマガ?と関連があったことは知らなかった。
それにしても、次世代の仲間たちに「武器としての教養」をくばるという星海社新書のシリーズは、なかなか面白い。

(扉ー要旨)
「上司が自分のことをわかってくれない」「やりたい仕事ができない」「まわりがバカばっかでやってられない」とお嘆きのあなた。ひょっとしたらあなたは、根本的に勘違いをしているのかもしれませんよ。会社の上司や先輩、もとい“じじい”たちのことを非難しても、何も生まれません。事実、ものごとの決定権は彼らが握っているし、仕事で関わる人間は圧倒的に年上が多いはずです。そして、じじいは反省もしなければ、あなたを「理解してくれる」こともありません。であるなら、彼らにどう取り入るか、いや「どうかわいがられるか」を考えた方が生産的ですよね。じじいの“ツボ”を押しまくって、こっそり自分の思うがままに活用しちゃいましょう!


(目次ー引用)
◇はじめに;
p5:今でこそ「究極のじじい転がし」と言われる私ですが、過去2回の失職の原因はいずれも上司との衝突。上司に口答えし、女性週刊誌の記者をクビ同然で辞めたときは、さすがに「このままではいかん」と自戒し、大いに悩みました。
p7:じじいに認められなければ、仕事はうまくいかないし、好きな仕事も一生できないでしょう。出世なんて夢のまた夢。社会人としての明るい未来は、じじいなくしてはありません。


◇オレオレじじい;話はほとんどは自慢話で、主語は常に「オレ」。
⇒自慢話を聞くときは、ただひたすら感動してあげましょう…じじいを通して彼の両親、妻、子どもを褒めます…あくまでも相手をたてた相談口調を心掛けましょう


◇うんちくじじい;雑学だけはめっぽう強い。
⇒「知らない」ふりをする


◇肉食じじい;やたらに若さに執着。男に厳しく女に優しい。
⇒男性は、仕事上の女房役を買って出て、要領の良さをアピール、面倒でも義理を大事にする。
⇒女性は、女を前面に出さず、「できます」と言い切る。
⇒「嬉しい気持ちを素直に言葉に出す+他者を引っ張り出して喜んであげる、オススメに喜んであげる+ステイタスやマニュアルに喜んであげる
p126:今のじじいは、若い世代にアツい部分を求めています。


茶坊主じじい;得意技はお世辞とごますり。
⇒警戒心を抱きつつ、足元をすくわれないよう、不利になることはけっして口に出さず、慎重につきあう。
⇒(尊敬には値しないが、自分自身におきかえると全否定できない)そのホンのちょっとの許容こそ、実は…最大の秘訣なのです。


◇9時5時じじい;暇な時間をどう潰すかがいちばんの目的であり、何をするにも動きが緩慢。
⇒距離を置く+やる気がない、仕事ができない、を解明することで、会社と世間の本質を理解し反面教師に…好きなフリをしながら研究する。
⇒夕方に仕事を振らず、大事な用件はメールと口頭のダブルで、感性ではなく数字で訴え、仕事を断る勇気をもつ。


◇耕作じじい;人望が厚く、正義感にあふれ、誰に対しても同じ態度で接し、仕事に対する情熱も冷めず常にポジティブ。
⇒あきらめない行動で、いつも素直な心で応じ、損得勘定で動かず、ありがとうは必ず2回いい、デカい夢を語る。
⇒最も嫌うのは「主体性がないこと」、出世する人は「社内ロビー活動の達人」
⇒社内ロビー活動は継続しなければ意味がありません…決定権のある人間が顔を和らげなければそこまで。ポイントは「根気」。


◇おわりに:
p229:上司を立てる、年功序列、飲みニケーション…20代のサラリーマンからすれば完全に死語と言える事柄を、彼らは今もなお重んじ、忠実に実践しているのです。これに対し、若い世代はまったく逆で、キーワードとなるのは“個人主義”。
p230:結局、仕事は人と人とのつながりなのです。チャンスを与えてくれる人、支援してくれる人、そしてともに動いてくれる人がいて、初めて成り立ちます。こうした恩恵は、上司の寵愛なくしてうけることはできません。


{10/23-25読了、26記入}