読書録

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ホンダ式一点バカ

ホンダ式 一点バカ 強い人材のつくり方 (朝日新書)

ホンダ式 一点バカ 強い人材のつくり方 (朝日新書)

車もバイクもホンダに乗っているファンとしては、なぜか自分が歯がゆくなるぐらい褒めすぎている気もするが、この会社の魅力が伝わってくる。職場の人へのインタビュー記事が中心となっている構成で、「年収3000万円をめざしたい」「上をめざすか家庭を大事にするか分岐点」など社員が結構自由に話していて、大きな組織のマネジメントと1人1人の独自性や創造性の兼ね合いの難しさも垣間見ることができる。ソニーも好きであったが、アップルや韓国に抜かれてなぜか自由な雰囲気も失われつつあるように感じてしまう中、「ホンタがソニーになる日」(p192)を恐れるというのは、確かにわかるような気がするし、ずっと活気のあるままでいてほしいと思う。


本著で紹介されている中で、社風としてなるほどと思った内容は以下で、引用メモ。
p35:三現主義「現場」「現物」「現実」
p70:「すべての技術者は技術の前に平等である」
p121:「なぜなぜ」と呼ばれる「五原則シート」⇒失敗の原因を5回、さかのぼって本質を突き止める
p174:野球部員に対しても「プロをめざしてくれ」
p208:「三つの喜び」⇒「買う喜び」「売る喜び」「創る喜び」+「人間尊重」


最後に著者が人材育成法の強さとして、最後に次のようにまとめている。p236
「ホンダは、社員が自律的に「育つ」ように、さまざまな仕組み、仕掛けを整え、企業風土を作っている。だから、ホンダには、「一点バカ」が次々と育つのだ。ホンダはまた、育った「一点バカ」を、上手に生かす。ホンダの基本理念には、「三つの喜び」と並んで「人間尊重」がある。「人間尊重」とは「個の尊重」である。個々の社員の能力や適性を見て、その力や資質を伸ばすことのできる職場に配置するのだ。
すなわち、個人の能力を組織のヒエラルキーから解放し、「個の底力」を発揮させる。そこに、ホンダの人材育成法の真髄があるのである」


紹介されているエピソードの中には、6年にわたり営業に行きたいと希望を言い続けて、上司が配慮して総務から異動させたという“幸運”が紹介されていたが(p107)、やりたいことができる、希望が持てる、ように、なればいいと思う。

{5/14-19読了、記入は25}