読書録

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ワーク・ライフ・バランス実践問答

ワーク・ライフ・バランスをめぐる諸課題について、中小から大企業など経営側、労働側、コンサルタントなどさまざまな立場からアドバイスを並列で掲載し、考え方も多様であることがよくわかる。冒頭、めざすところは「個を尊重し、個人の創造力や満足感が高まる社会を実現することにあります。これにより企業においては、生産性の向上が図られ、その発展にも大きく寄与するものとなるでしょうp4」というところは、編者の「次世代のための民間運動〜ワークライフバランス推進会議〜ワークライフイノベーション委員会」という官民、労使を集めた今の代表的な考え方ということだろう。


発行&編者の日本生産性本部のサイト⇒ http://bookstore.jpc-net.jp/detail/lrw/goods003826.html
編者:推進会議のサイト⇒ http://www.jisedai.net/index.php
(大賞や標語などもあり)


問答のうち印象に残った項目をいくつか引用
◇本当に業績に効果があるか?)大企業・中堅:趣味や遊びに活き活き取り組む人が仕事にも意欲あり、外での付き合いも大事。仕事上のアイディアやヒントも全く関係ないときにふと沸く。会社は社員を信じてほしい。仕事をおろそかにしないという気持ちがあればいい。p14

育児休業や短時間勤務制度の利用には、評価に差が付き昇格・昇進など遅れるなどリスクがあることを理解する必要。会社側は仕組みやルールを明確にオープンにすることが大切。施策にマネージャーが感じるデメリットは、1)多くの人員が必要に、2)利用者以外の業務負担が増える、3)不公平感を高める、4)仕事の質・量・進捗に支障、5)わがままや甘えの助長にp16
育児休業中でも、メールで近況報告するなど、復帰に向け自分自身の準備を怠らない+本人の心構えでキャリアデザインを意識しよく相談するp19
→男性の育児休職で評価への不安?)大企業・人事:常日頃の仕事に評価が定まっていることが大事

ワークライフバランスで期待される効果p40
・優秀な人材の定着(離職率の低下)
・優秀な人材の獲得(新規採用者の量・質の向上)
・モチベーションの向上(従業員満足度の向上)
・業務改善による効率アップ(時間外労働の減少)
メンタルヘルス率の低下(心の健康度のアップ、長期休業率の低下)
・働く人々に配慮した経営として企業イメージアップ(社会的認知度の向上)
→創造力アップ、生産性向上、業績アップ→組織力強化、競争力強化

◇若いうちに仕事の基礎固めをすべき?)アドバイザー:将来への道幅を広げるためにも、プライベートは大切にしつつも、少し仕事にパワーを傾ける心がけが必要p59

◇事例として、アステラス製薬の「結婚時同居支援制度」2008年4月に導入p65

◇参考として関係団体のリンク先が掲載されているほか、「女性の活躍推進への取組」として、「ワーキングウーマン・パワーアップ会議」の活動を紹介p75→ http://www.powerup-w.jp/index.php

◇推進会議の委員、初版には、自動車総連顧問の加藤裕治、中部産業・労働政策研究会理事長が記載されているが、『弁護士をめざして「56歳からの挑戦」』(法学書院)という弁護士への転身を図られたようで、WLBを自ら実践されているのかも知れない。


{7/12読了、記入は26}