読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

 家計・非常事態宣言

著者の本は、何冊か読ませていただいたが、今の時代で論旨は明快でわかりやすい。
すなわち、先行きが見えず経済が不安定な中では、
『p45:家計は資産運用によってお金を増やすことを考えるよりも、お金を減らさないことに腐心すべきです』
ということだ。

ケインズ方式」から「小さな政府」、そして、今目指されてる、福祉、医療、介護、環境を重視する第三の道を目指そうとする方向性や、評判が悪くなっている「子ども手当」などには理解を示しつつ、家計も「第三の道」をと説く。

思えば、お金は銀行に預けるなという本が流行って、ちょっとやってみようと思ったけど、その後のリーマンショックを含め、投資信託は悲惨な状況だし、本著で紹介されている郵便局の紹介した金融商品でさえ無茶苦茶になっているから、なるほどと説得性はある。

唯一というか、買ってもよいと本著で勧めているのは、『金の仏壇や金の仏像を買うこと』(p89)。
金投資より相続税の対象からも除外され、子どもや孫にそのまま残すことができるほか、将来困ったときに換金も可能だから、というのは、なかなか良い?アイディアともいえるかもしれない。

右肩下がりの時代に、いかに生きていくのか?ある程度ケチになるのも仕方ないことと感じる。


第1章 非常事態宣言の「なぜ?」を解く
【生活基盤編】
1.なぜ、給料は上がらないのか→企業が社員のものでなくなったから;
2.なぜ、非正社員問題が拡大したのか→終身雇用の時代が終わったから;
3.なぜ、貧富の差が開くのか→中流崩壊、マネー資本主義になったから;
4.なぜ、食糧問題が重要なのか→21世紀は食糧争奪の世紀になる可能性があるから;
【資産管理編】→資産運用や、借金・ローンはいけない;
金融商品編】→投資信託や高利回り預金、外資投資はいけない;
【不動産編】→マンション投資もだめ;
【保険編】→死亡保障は少なく、医療保険はいらない;


第2章 政策の「なぜ?」を解く
22.なぜ、子ども手当と高校無償化が必要なのか→子どもを社会全体で育てるシステムが必要だから;
23.なぜ、配偶者控除、扶養控除を廃止するのか→税収をあげるのは、財務省の悲願だから;
24.なぜ、事業仕分けが急がれるのか ほか→無駄な事業と必要な事業の格差が大きいから;
25.なぜ、地方分権は必要なのか→地域が元気であることが暮らしやすさにつながるから;


第3章 非常事態に「立ち向かう」ための「なぜ?」をおさらいする
26.なぜ、家計の見直しが必要なのか→大不況で給料が減っているから;
27.なぜ、妻も働くことが必要なのか→収入アップはもちろん、家族の絆も強くなるから;
28.なぜ、ライフ&マネープランの見直しが必要なのか→現実に沿った計画を立てておかないと、老後が危ないから;
29.なぜ、社会保障を活用することが大切なのか→日本の社会保障制度は、かなりしっかりしているから;
30.なぜ、人生観をリセットすべきなのか→右肩下がりの時代を、幸福に生きるため;


第4章 これからの政治にもの申す;


{5/10-11読了、記入は15}