読書録

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 アホの壁

アホの壁 (新潮新書)

アホの壁 (新潮新書)

国家の品格」がベストセラーになったあと、品格と銘打った本が多数出版されたことをアホだといいつつ、この本自体、養老孟司さんの「バカの壁」を意識しつつ本著を書いて二匹目のどじょうを狙うというところから、結構アホらしくて楽しい本だ。様々なエピソードが織り込まれ、そうだなあ、と自分の行動を振り返って納得する。

結論として、アホなところがないとやっぱりつまらないし、この本のほうに、アホを分析・笑いながらも愛情をそそぐというのが、おそらく心の安定には一番いいのかも知れない。

それにしても、まともな文章が書けなくなってきた気がする。ますますアホになっているのかなあ。


(目次−引用)
序章 なぜこんなアホな本を書いたか;

第1章 人はなぜアホなことを言うのか;潜在的バイアス、脅迫観念症的、局面暴言、甘え

第2章 人はなぜアホなことをするのか;癖、フロイト的失敗、物忘れ、
p89:(一点豪華主義で贅沢品一つだけ身につけると気になって逆に失敗する・自分にそぐわないものを持つなの教訓)

第3章 人はなぜアホな喧嘩をするのか;
p120:最悪の喧嘩は、毎日繰り返される喧嘩である。・・夫婦ならまだセックスによる仲直りでいったん気持ちがおさまるのだが、会社での特定の相手との喧嘩はほど知性や人格を低下させるものはない。

第4章 人はなぜアホな計画を立てるか;
p128:ドナルド・R・キーオ『ビジネスで失敗する人の10の法則』より、1リスクをとるのを止める、2柔軟性をなくす、3部下を遠ざける、4自分は無謬だと考える、5反則スレスレのところで戦う、6考えるのに時間を使わない、7専門家と外部コンサルタントを全面的に信頼する、8官僚組織を愛する、9一貫性のないメッセージを送る、10将来を恐れる、11仕事への熱意、人生への熱意を失う
p154:何も面白いものがない、子どもが喜ぶ展示が皆無だというので大失敗に終わったのが2009年の「横浜開国・開港博」である。超低予算で、やれることは何もなく、唯一の目玉がでかい機械仕掛けのクモのみで、しかも会場の外からも歩く姿が丸見えというのでは、入場者が少ないのは当たり前である。

第5章 人はなぜアホな戦争をするのか;
p175:フロイトの結論はこうである。「文化の発達が促進するものはすべて戦争反対の作用をする」
p179:フロイトの言葉を借りて、あえてこう結論しよう。「世界中から貧困をなくす困難に比較すれば、世界中の人間にどうよの高い教養を与えることによって戦争をなくすことは、おそらくユートピア的希望ではないでありましょう」

終章 アホの存在理由について;
p193:たとえ人類滅亡の理由がアホな行為にあったとしても、アホがいなければ人間の世界と歴史はまるで無味乾燥だったに違いなかったのだと。アホはなんとすばらしいものであろう。アホ万歳。

{4/11-12読了、記入は16}