読書録

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『技術の伝え方』 畑村洋太郎 著

組織を強くする技術の伝え方 (講談社現代新書)

組織を強くする技術の伝え方 (講談社現代新書)

失敗学で知られる著者が、日立で勤務経験のあることをこの本で知った。日立のイメージはあまり持っていなかったが、最近、老朽化した家電の買い替えで検討の上いくつか購入していたので、良い教育環境だった(p70:1年の体験実習)というような記述に接すると、なんとなく好感度があがって嬉しくなるのは、あまりに単純だろうか・・

本著を通して、自分がいかに伝えることに努力していなかったかを改めて認識させられた。図形などを使いながら、いかに相手にわかってもらうのか、この点については、鍛えていかなければならないように思う。「自分の伝えようとする中身を相手が受け取ってくれる形に再構築しないことには絶対伝わらない→相手の立場に立って考える」(p189)ことを肝に銘じて。


(目次-引用)
序章 「技術」とは何か;
p20:「知識やシステムを使い、他の人と関係しながら全体をつくり上げていくやり方」


第1章 なぜ伝えることが必要か;
p44:「現地・現物・現人」の「三現」を実行し、現況を十分に把握する責務がある。


第2章 伝えることの誤解;
p53:本当に大切なのは、伝えられる相手の側の立場で考えた「伝わる状態」をいかにつくるか
p55:(マニュアルは次第に分厚くなる宿命にあり)意識して定期的に見直さないと、すぐに固定化して実態に合わないものがそのまま居座ってしまうのがマニュアルの特徴
p63:(原因と結果の間には必ず人間の行動があり、これを記述する必要がある)


第3章 伝えるために大切なこと;
p66:「伝わる・伝わらない」は伝えられる側の知識を吸収しようとする意欲に大きく関係している
p76:伝えるためのポイント 1.まず体験させろ、2.はじめに全体を見せろ、3.やらせたことの結果を必ず確認しろ、4.一度に全部を伝える必要はない、5.個はそれぞれ違うことを認める


第4章 伝える前に知っておくべきこと;
p84:(意図して伝えるのは)「知」「技」「行動」、加えて価値観や信頼感、責任感という「企業文化」や「気」も。


第5章 効果的な伝え方・伝わり方;
p118:うまく伝えるには、相手にイメージを伝えるのが効果的。


第6章 的確に伝える具体的手法;
p130:文字と図をうまく組み合わせて使うことで、相手の頭の中に立体像をつくり出すことができる
p138:どう表現すれば失敗事象を伝達できるか の図→事故→経過→推定原因→対処:(あとから加える)背景、原因、対策、後日談、よもやま話、(あとからまとめる)総括、知識化


第7章 一度に伝える「共有知」;
p155:喜びや感動、楽しい時間といったものをメンバーと共有することが非常に大切←ジャック・ウェルチ氏の社内教育
p163:ネットワークで組織メンバーと情報を共有


終章 技術の伝達と個人の成長;
p166:「守・破・離」決まった作法や型を守る→自分なりに改良→独自の世界を開く


「技術を伝える」を巡るおまけの章


{図書館で借り9/24読了、記入は26}