読書録

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ナビゲーション

ナビゲーション 「位置情報」が世界を変える (集英社新書)

ナビゲーション 「位置情報」が世界を変える (集英社新書)

「位置情報」が世界を変えるという副題のとおり、羅針盤に頼った大航海時代から、航空機やロケット出現を経て、GPSによるカーナビやスマートフォンへといたる歴史を、開発されてきた技術とともにわかりやすく紹介している。ふだん、あまりにも便利に使っているこの機能が、いかに過去の人々の工夫と努力によって実現してきたのかがよくわかる。池上彰さんが「伝える力」で記していたような、「アメリカ」の語源なども、改めて思い起こすことができた。歴史は面白いのだが、今のスマホが普及する中で、さまざまなアプリが位置情報を利用しているが、その広がりと課題も知りたいと思った。


(目次-引用)
まえがき;
p5:ナビゲーションの目的は、まず、自分の位置、次いで目的の位置をできるだけ精密かつ迅速に把握すること、その後、自分の位置から目的に位置まで最も効率的に出かけたり必要なものを届けたりすることであろう。この点は、いつの時代でも、我々の生存と発達のためには、最も重要なことの一つではないだろうか。


第一章:大航海時代の幕開きと地球球体説の実証;
コロンブス兄弟のビジネスから海を使う航海で大航海時代になり、地図の重要性が増す


第二章:精密海洋時計の開発とイギリスの七つの海の制覇;
◇経度測定に向けた賞金とジョン・ハリソンによるクロノメーターの開発⇒ネビル・マスケリンによる航海歴および天体歴⇒グリニッジ天文台長になり本初子午線に:世界の時間と空間の基準に。


第三章:ロランの開発とパックスアメリカーナ
◇戦争でドイツvsイギリスからアメリカへ


第四章:慣性航法システム及びGPSの開発;
◇ジャイロの開発、慣性航法システム=INSの父・チャールズ・スターク・ドレイパー
◇構成は、回転センターとしてのジャイロスコープと、運動センサーとしての加速度計、ならびにデータ処理のコンピューター
◇GPSはアメリカの陸海空3軍のプロジェクトを空軍の621Bに統合したブラッドフォード・パーキンソン
◇1978に最初のプロトタイプ衛星、78-85打ち上げ1期、89〜ブロック2、1993初期運用段階宣言、94〜民生サービス24機、95年完全運用宣言、96年開放、2000年に精度の劣化を廃止


第五章:ナビゲーションの現在と将来;
◇ナビゲーションと通信・放送との融合
◇太陽の爆発現象である太陽嵐、キャリントン事象で、GPS衛星に影響を与える恐れ


第六章:人類は技術開発の進歩についていけるのか;
◇GPSと無線通信を組み合わせたタクシーやトラックの位置把握のシステムはプライバシー侵害の可能性・・携帯電話も・・


あとがき;
◇ナビゲーションは元々、組織や個人のサバイバルのためのものだが、今後、ますます多くの可能性を提供するとともに、危険性をもたらすだろう…国民皆が関心をもつようにしなければ…p166


{4/16-17読了、記入は18}