読書録

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『マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則』 ピーター・F・ドラッカー 著 上田 惇生 翻訳

もしドラがベストセラーになる中で、ドラッカー氏の本に興味をもち、手に取る。「エッセンシャル版」というだけあって、基本的な概念がびっしりとつまっていた。フォードやIBMなどの実例も豊富に引用され、時代的には古いものもあるが、今でも十分通用する。むしろ、現在、企業で取り組まれている、目標管理や顧客満足度評価などは、この本を読むとなぜそうしているのか、といった背景がよくわかった。


(帯−引用)
「変化」のときこそ、「基本」を確認しなければならない!ドラッカー経営学の集大成を一冊に凝縮。自らの指針とすべき役割・責任・行動を示し、新しい目的意識と使命感を与える書。


(目次−引用)
part1 マネジメントの使命
第1章 企業の成果;
p16:企業の目的は顧客の創造である。(マーケティングイノベーションが二つの基本的機能)

第2章 公的機関の成果;
p52:公的機関に必要なことは企業のまねではない。・・・自らに特有の使命、目的、機能について徹底的に検討しなければならない。

第3章 仕事と人間;
p58:労働における5つの次元(1生理的{スピード、リズム、持続力}、2心理的{自己実現}、3社会的{絆}、4経済的{生計}、5政治的{権力}・・これまでのアプローチの誤りは次元を一つのものとしたところ)
p64:(ダグラス・マクレガーのX理論{人は怠惰で強制しなければならない}とY理論{人は欲求を持ち、仕事を通じて自己実現と責任を欲する}。
p74:(働きがいを与えるには仕事そのものに責任をもたせる。そのためには、1生産的な仕事、2フィードバック情報、3継続的学習 が不可欠)
p81:「人こそ最大の資産」

第4章 社会的責任;
p108:(立憲主義重商主義も陳腐化したのは、1混合経済の進展、2グローバル企業の発展、3社会の多元化、4マネジメントの台頭)
p115:「知りながら害をなすな」の原則がふさわしい。

part2 マネジメントの方法
第5章 マネジャー;
p130:(学ぶことができずはじめから身につけていなければならない資質は一つだけ、才能ではなく真摯さ)
p137:(組織に人を間違った方向に持っていく阻害要因四つー1技能の分化、2組織の階級化、3階層の分離、4報酬の意味付け)(石切の比喩、暮らしをたてる、最高の石切、教会を建てると3つの答えのうち、マネージャーは教会)
p141:自己管理による目標管理こそ、マネジメントの哲学たるべきものである。
p147:「真摯さなくして組織なし」真摯さの欠如は許さない。決して許さない。(1強みよりも弱み、2何が正しいかより誰が正しいか、3真摯さよりも頭の良さ、4部下に脅威を感じる、5自らの仕事に高い基準を設定しない。

第6章 マネジメントの技能;
p154:(行動指針は二つ、1行動によって得られるものが、コストやリスクよりも大きいときには行動する、2行動するかしないかいずれかにする。二股や妥協はダメ)

第7章 マネジメントの組織;
p179:(機能別組織や分権型組織というこれまでの構造だけえは満たせないニーズが生まれ、新たに、チーム型組織、擬似分権組織、システム型組織などに)
p216:(組織構造は目的達成のための手段で、目的ではない。組織の健康を判定する基準は、成果)

part3 マネジメントの戦略
第8章 トップマネジメント;
p223:多元的であって、断続的である。異なる性格と体質を同時に必要とする。

第9章 マネジメントの戦略;
p245:「何かがうまくいかなくなると、すべてがうまくいかなくなる。しかも同時に」
p260:成長そのものを目標にすることはまちがいである。大きくなること自体に価値はない。よい企業になることが正しい目標である。成長そのものは虚栄でしかない。
p266:現代というイノベーションの時代において、イノベーションのできない組織は、たとえいま確立された地位を誇っていても、やがて衰退し、消滅すべく運命づけられる。
p275:人の強みを生産的なものにすること(が正当性の根拠)
p276:組織とは,個としての人間一人ひとりに対して、また社会を構成する一人ひとりの人間に対して、何らかの貢献を行わせ、自己実現させるための手段である。・・組織の基礎となる原理は、「私的な悪徳は社会のためになる」ではない。「個人の強みは社会のためになる」である。これがマネジメントの正当性の根拠である。

付章 マネジメントのパラダイムが変わった;
p300:今日の社会、経済、コミュニティの中心は・・成果をあげるための社会的機関としての組織である。この組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関がマネジメントである。・・マネジメントが責任を負うものは、成果と仕事に関わること全てである。


{4/5-7読了、記入は9土曜}