読書録

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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら

 ベストセラーとなった『もしドラ』の第二弾『もしイノ』は、出版社のサイトを拝見すると、著者の思いや何を伝えたかったかなどが、対談の形でよく伝わり、本著を手にとってみようという気にさせる。荒唐無稽な物語ではあるのだが、競争社会の中でのイノベーションと教育(p329)、また「居場所」が見つけにくい時代に「居場所」を見つけること(サイトの対談第1回)をテーマに、ドラッカーの「7つの機会」を登場人物に実践させながら解説していく物語というのは、読みやすくわかりやすい。


出版したダイヤモンド社のサイト(目次と著者紹介あり)→ http://www.diamond.co.jp/book/9784478066492.html
著者と各界著名人との対談→ http://diamond.jp/category/s-moshiino


備忘録として以下、引用。
◇p32:この新しいものを生み出す機会となるものが変化である。イノベーションとは意識的かつ組織的に変化を探すことである(『ノベーションと企業家精神』11頁、以下同)

◇p54:七つの機会
1)予期せぬことの生起
2)ギャップの存在
3)ニーズの存在
4)産業構造の変化
5)人口構造の変化
6)認識の変化
7)新しい知識の出現

◇p113:イノベーション(の原理)
1)を行うには、機会を分析することから始めなければならない。
2)とは、理論的な分析であるとともに、知覚的な認識である。
3)に成功するには、焦点を絞り単純なものにしなければならない。
4)に成功するには、小さくスタートしなければならない。(p169:変更がきくのは、規模が小さく人材や資金が少ないときだけである。113-114頁←日本の家電業界の失敗なども、これなのだろうか…)
5)に成功するには、最初からトップの座をねらわなければならない

◇p139:構造変化は、その産業の外にいる者に例外的ともいうべき機会を与える。ところが、産業の内にいる者には同じ変化が脅威に映る。したがって、イノベーションを行う外部の者は、さしたるリスクを冒すことなく、急速に大きな勢力を得ることができる。(54〜55頁)

◇ソム・ソーヤのペンキ塗り→誰かを説得する上での魔法のテクニック=「楽しそうにして見せた」「禁止した」p147-148+大工への仕事依頼で、報酬額より「世界であなたしかいない」という言葉p272

イノベーションを魅力的にするための第一の段階は、すでに活力を失ったもの、陳腐化したもの、生産的でなくなったものの廃棄を制度化することである(130頁)

イノベーションを行うにあたっては、外に出て、見て、問い、聞かなければならない。このことは、いかに強調してもしすぎることはない。(112頁)
←これは、成功した企業・組織の経営者が、みなやっていることのように思う。本著では真摯さとの関連でこの部分が出てくるが、原本の方で印象に残っているのは、この“真摯さ”についてで、常に心掛けたい。


{5/16-21読了、記入は同日}