読書録

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ホワイト企業

女性が「働き(続け)やすく」(=産休・育休や時短を取りやすい)「活躍しやすい」(=出産後もやりがいのある仕事を女性社員に任せている)企業とは・・経済産業省が取り組む「ダイバーシティ経営企業100選」を担当した経済産業政策局の坂本里和経済社会政策室長(四女の母)が、とてもわかりやすく解説している。


出版した文藝春秋のサイト⇒ http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163768403


ポイントをいくつか以下、引用
◇残業ばかりが求められる会社人間だけでは、消費者の眠っていたニーズを掘り起し、世の中に全くなかった商品やサービスを考え出すこと=イノベーションがなかなか起こらないp28⇒消費者目線に近い女性が入り込んでいくこと(日本では女性が6〜7割の購買決定権を握っているp58)が、市場で有利に戦うための条件にp35

◇職場環境の変化のスピード、IT技術など求められるスキルの変化のスピードは、どんどん速くなっていて、ブランク期間が長いと、キャッチアップするのが大変p44⇒企業としては、ITができることはITに、補助的な仕事は派遣社員等にまかせ、もっと高度な仕事を任せて活躍してもらおうという動きにp49

◇管理職は、責任も重いが、自分に任される仕事の範囲で、自分で判断できる裁量の余地が広い。シェリル・サンドバーグのLEAN INでも、女性はせっかくのチャンスを目の前にしても身を引いてしまいがちという実態が描かれていたp53

◇職場全体の働き方を効率化しないといけないということになったとき、力を発揮するのは、自らが家庭の事情で時間制約がある中で苦労しながら頑張ったという経験のある管理職だといわれ、マネジメントスキルの大事な要素として見直されてくるp54

◇出産後も女性を戦力として生かしたいと思っている企業は、次のステップに進みつつあり、優秀な女性社員が主産を機にキャリアが中断してしまうのはもったいないということに気づいて、職場全体での働き方や仕事の配分などを工夫したりして、キャリアをつなげられるよう努力しているp78⇒そのためには、働く場所や働く時間の制約を、なるべく減らす方向で考える必要があり、時間はフレックスタイムに、場所は在宅勤務、テレワークといった柔軟な働き方ができるよにする。あわせて、家事育児の負担を減らすため、家事支援・ベビーシッターサービスを利用する際のクーポン券の提供や事業所内託児所の設置なども有効p79⇒大事なのはアクセシビリティ=いつでも連絡がとれる状態にしておくことで、「時間も場所も自由に選べる」という柔軟性に力を入れている企業を薦めるp82

ダイバーシティというのは、少子高齢化で働き手が少なくなる時に、なるべく幅広い母集団から優秀な人材を確保した方がよい、という消極的な話でなく、多様性のある組織の方がイノベーションを起こしやすく、変化にも強いということを意味するp87

◇育休は3年までとれる会社でも、女性活躍に真剣に取り組もうとしているところでは、なるべく早くフルタイムに復帰してもらって、キャリアアップができるように、個別に面談するなどの努力をしていますp93


11月9日に放送された番組で“資生堂ショック”が話題になったが、本著でもすでに資生堂の紹介では、育休取得者の復帰にあたって「キャリアアップしながら両立」の段階に入り、「制度活用が既得権にならないよに、利用者のモラル作りに取り組んでいる」ので、「厳しくもやりがいがある」とされていた。



{11/10読了、記入は13}