読書録

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職場のモンスター

職場のモンスター (マイコミ新書)

職場のモンスター (マイコミ新書)

著者は、労働相談での経験を通して、データには表れない働く人たちの現実の声を拾い上げ、「モンスター」と呼ばれるような職員の事例と対応を紹介していく。

その背景には、「自分探し」を求められ、自己主張が強くなった人たちの価値観と、会社や組織としての価値観との間に、齟齬をきたしていることがあげられる。

また、雑用や下働きの意味を語れなければ、彼らは納得できない。余計なことは言うな、というのではなく、その仕事が、会社や仕事にとってどのような意味を持っているかを語ることができないとダメ。

最後の方にあるように、モラルダウンを最小限に抑えるためにも、ルールの厳格な適用が必要だということか。


(目次−引用)
第1章 モンスター登場
1.社長は裸の王様だ;自由に意見をと入社前には言われたのに、言えないことで直訴。
2.自分で稼いで何が悪い;「自分らしく生きる」+「リスペクトされたい」という価値観。
3.やられたら、やり返す;「データを消去してしまう」という衝動的な行動を起こす事件多い。


第2章 彼らは一体何者か;
p96:まさに個人個人が、個人的な自己主張をすることで問題が起きている。まさに個人主義の時代を表現するものになっているからである。
p100:私生活を大切にしていることは共通で、そこへの介入が時としてとんでもない暴走を生み出す。


第3章 モンスター再び
1.迷惑かけなきゃいいだろう;p125:私生活を優先する思想が徐々に広がってきているようだ。
2.これがオレたちの常識;勤務時間内に私用メールをしていた社員を専務が問題に・・会社と私生活がクロスする場面での価値観の衝突が起き始めているということ
3.オレ流のやり方に文句があるのか;


第4章 モンスターとつき合うために
1.忘れられない光景;p174:そんなに、入り口で迷っていたら、選択そのものもできなくなってしまうじゃないか。もっと気楽に・・。自分らしい仕事などというものは、自分が作り出せばいいんだよ。と言ってやりたい衝動を抑えられない気持ちにさせられた。
2.モンスター誕生の背景;「やりがい」は相対的な評価で妥協できるが、「自分らしい働き方」は絶対評価である以上、中途半端な妥協は難しい。
3.モンスターのトリセツ(取扱説明書);
(特徴)1.譲れない、2.オレはオレ、3.大人にならない/周囲1mの関係、4.今を楽しく、5.リセット願望/これまでの価値観で語らない
・それが職場のルール;
p218:効率的に働いてもらうためには、仕事は極端にマニュアル化すること、それに従わなければペナルティを課すという職場のルールをはっきりさせていく。

{2/28-3/1読了、記入は3/6}