読書録

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職場は感情で変わる

職場は感情で変わる (講談社現代新書)

職場は感情で変わる (講談社現代新書)

『不機嫌な職場』の共著者が、組織という場を自分たちを幸せにする場に変えていくか、具体的に考え実行できるよう手助けしようと書いた本著では、その鍵になる概念として「職場感情」を提示されている。

p18に示された図で、活性と沈静、快と不快という軸で大きく4つに区分し、その外側に崩壊ラインを設けている。
すなわち、
快*活性=イキイキ(高揚感:主体、連帯)→燃え尽き、
快*沈静=あたたか(安心感:支え合い、認め合い)→ゆるま湯、
不快*活性=ギスギス(緊張感:苛立ち、不信)→攻撃、
不快*沈静=7冷え冷え(不安:沈滞、あきらめ)→ひきこもり、
の四つを軸に組み合わせながら、具体的な事例を説明していく。

そして、良い職場であるために必要な3つの要素として(p42)以下をあげる。
1.一人ひとりがイキイキと前向きな感情を持って、職場やチームに参加できる。
2.お互いの関係性:お互いを認め合い、支え合い、学び合う良い関係が築けている。
3.自分たちがやっていること、自分自身を肯定できる。効力感を組織も個人も感じられる。
→「仕事が面白い、職場が楽しい、会社が好きだ」が共有されているか?(p44)

一方、協力し合えない職場に共通している構造的要因は以下3つ(p163〜)
1.個人の成果だけが求められるタコツボ化
2.評判情報が共有されない:飲み会やイベントがなくなって考え方を共有しあう機会がなくなる
3.長期的な関係という前提が崩れた中で、協力のインセンティブが失われ、見返りのないことに協力しない

バブルの崩壊以降個人の力を高めることに躍起になり、つながりが失われた今(p224)、処方箋の具体的な例として、
p179:大切なのは、良いことはすぐ褒めること。そして、みんなの前で褒めること。この二つを徹底することです。
p181:(感謝する人を投票で選び表彰する)すべての人がここにいて役立っている、必要とされているという実感が持てること
p202:みんなが良い職場にしたい、こんな職場にしたい、そんな思いをまだ持っているんだということ。そこにお互いが気づくこと、そして安心すること。これが第一歩です。
p208:前向きな感情がなければ、意欲も行動も引き出せない。お互いを支え合う気持ちがなければ、チャレンジは生まれない。厳しい状況の中でも各人が前向きな行動を起こしていくためには、「良い感情」という支えが必要なのです。
p219:良い職場、良い会社を作るためには、「みんながリーダー、みんながメンバー」「他者のためにできることは何でも自分からやる」といったコアとなる考え方を共有し、その思いや環状を引き出す取り組みを多面的に行なっていくことが必要です。
p226:良い組織、良い職場にとって一番大切なのは、自分が誰かのために、誰かの力になりたい、そんな思いを持てる関係、つながりができていること、それが組織を支えていることです。・・お互いがお互いを思いやる力があるということです。
p299:良い職場、良い組織を支える一番大切なもの。それは感じる力であり、思いやる力です。

率直に「仕事が面白い、職場が楽しい、会社が好きだ」と言えるようになりたい。
{1/17〜18読了、記入は20}