- 作者: 和田秀樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/08/12
- メディア: 新書
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この著者の学習法や心理をテーマにした本はなるほどと思うことが多かったのだけど、この本の内容は、あまりにも決めつけというか一面的にしか見ていないような気がして残念だ。唯一、最後の「おわりに」のところで、乱暴な議論で個人的経験から結論を導くところに批判があって当然と自戒しているところに、少しは安堵するのだけど、このような論陣ばかり展開していたら、相手にしてくれるところがなくなってしまうのではないかと心配もする。
【目次】
1 「ウエスト58cm幻想」の大罪;→やせ礼賛をするテレビが悪い
2 「正義」とは被害者と一緒に騒ぐ ことではない;薬害エイズ報道などへの疑問
3 「命を大切に」報道が医療を潰す;→2004年の福島で起きた産婦死亡で06年に産科医が逮捕されたことをめぐる報道への疑問など
4 元ヤンキーに教育を語らせる愚;→不良から更正しても被害者がいたはず
p118:かつて日本人が信じていた勉強して学歴を得ることや、汗水たらして働くことで社会階層を這い上がることをよしとする価値観は失せてしまった。それが、日本の競争力低下という大きな代償をともなうことは言うまでもありません。
5 画面の中に「地方」は存在しない;→国鉄民営化の罪、飲酒運転撲滅などは幻想
6 自殺報道が自殺をつくる;
7 高齢者は日本に存在しないという姿勢;→くだらない若者向け番組が多すぎる
p188:テレビは悲惨な例ばかりを好んで取り上げます。・・より悲惨に見えるように工夫もこらします。
8 テレビを精神分析する;→「映像」と「時間的制約」によって単純化し、二分割思考の危険
p205:見人の心の健康を蝕んでいることこそが、テレビの最大の罪なのです。
{読了同日記入}