読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

『令和を生きる 平成の失敗を越えて』 半藤一利 池上彰 共著

サイトより)平成元年、ベルリンの壁とともに世界秩序も崩壊したことに気づかず、バブルに浮かれていた日本人。バブル崩壊後も、相次ぐ大災害と長きデフレにより、目先の生活を守ることに追われて、志向はさらに内向きに。そして日本は、理念を持たない「戦争ができる国」となり、「デマと差別が溢れる国」となった。その姿は、国際社会から取り残され、無謀な戦争に突き進んだ戦前の日本とあまりに重なる。過たずに済む分岐点はどこだったのか。昭和史研究の泰斗と現代を代表するジャーナリストが、平成の失敗を徹底的に検証した白熱対談。
 
表紙)政治の劣化、経済大国からの転落、溢れかえるヘイトとデマ
この過ちを繰り返してはならない
 
p48:池上)国民投票をやると、間違いが起きることがある。その危険性がわかっているからドイツは憲法を変えるための国民投票はしていません。・・・(中略)・・・私自身は、やはり議会制民主主義、代表制民主主義がいいと思っています。
 
p53:阪神淡路大震災で露呈した衝撃の危機管理欠如 自衛隊への派遣要請の発想なし、国交省に当直なし、
 
p106:1995年1月1日読売新聞元旦朝刊1面トップ 特ダネ 上九一色村サリンの残留物 
 
p91:池上)いまの若い人が保守化したとか、右傾化してきたよねというきっかけは、産経新聞のこのサービス(ヤフトピやMSNなどネットでの影響力)ではないか。
+p141:池上)(日韓対立)産経新聞の影響が大きい・・2014年から歴史戦と名付けた特集記事を掲載(キャンペーン)
 
p97:半藤)全体主義というのは国力が弱くなっているとき、社会が混沌としているときに生まれやすい。そんなときに、しばしば英雄視される者があらわれて、カオスか自分かどちらかを選べと人びとに迫る。あるいは人びとのなかに眠っていた怒りを呼び覚まして操作しようとする。だから我々は、いまこそ気をつけなければいけませんねえ。

 

<論点や歴史的経緯をいくつか>
コソボ紛争でのNATOによるセルビア勢力への空爆が「人道的介入」を真正面から掲げた戦争行為 (p125) 池上:殺戮止まった事実、半藤:認めない
 
・PKO法にもとづく自衛隊の海外派遣はカンボジア派遣が最初(p128)
 
イラク派兵の責任を追及された英政府、どこ吹く風の日本政府(p135)
 
・日本が核兵器を持てないのは、核ミサイル基地を狭い国土で隠せず+原子力潜水艦3隻運用できるか?ウランも禁輸され(p143)
 
非正規労働者拡大の分岐点になった労働者派遣法改正 竹中平蔵さんパソナの取締役会長(p170)半藤:どう考えたってダメ
 
ライブドアへの国策捜査がIT産業発展を潰した ホリエモンと村上氏 2006年証券業取引法違反 (p177)
 
・金儲けに拍手喝采する米中、断罪する日本(p178)
 
◇年を越えて読んだ内容を、ようやく2023/02/06(月)の夜に記録・・
・販売開始日が2019.05.29と、コロナ禍やウクライナ軍事侵攻が始まる前で、安全保障をめぐる議論は、かなり受け止めが変わってきた印象もある。
・ただ、過ちを繰りかえさないために何ができるのか・・を考え続けたい。
 
{2022/12/26月-1/12木:読了、記入は2/06}