読書録

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『武士道』 ワイド版岩波文庫 新渡戸 稲造 著 矢内原 忠雄 訳

  ことし8月1日(土)21時~ 『蝶々さん~最後の武士の娘~』 BSPドラマをたまたま見て、2011年の再放送ではあったが、宮崎あおいさんの好演、および、コロナで放送休止中の朝ドラ『エール』でも、蝶々夫人のオペラもモチーフにしたストーリーが登場していたが、余りにも知らなかったことが多かった。

 脚本家・市川森一さんの遺作となったこのドラマでは、プッチーニのオペラ「マダム・バタフライ」のヒロインである蝶々さんを、士族の娘で懐剣で自害をするという行為を「士風の美」として描き直せないかと思われてこの原作が書かれたということで、その背景の武士道、についても知りたくなって、手に取った。

武士道 (ワイド版 岩波文庫)

武士道 (ワイド版 岩波文庫)

 

 発刊した岩波書店のサイト↓

www.iwanami.co.jp

 まずは、もともとは英文で著者が病気療養中の38歳のときに、1899年に米で発刊され、日本語訳として、岩波からは1938年の初版が1974年に改訂され、ワイド版としては1991年に発刊されたとのこと。引用される外国文献の数々含め、こうした内容と知り、正直驚いた。原文には触れるべきものということを改めて感じた。

 そして、確かにドラマで描かれた自刃・切腹について相当詳しい記述があった。

 文体も独特で、一か所のみ引用↓

p128:私は武士道に対内的及び対外的教訓のありしことを認める。後者は社会の安寧幸福を求むる福利主義的であり、前者は徳のために徳を行うことぉ強調する純粋道徳であった。

 宗教との関連ほか、文化論的な側面も強くあり、よく取り上げられる 菜根譚 についても読んでみたい。


{2020/09/01-03読了、記入は09/5(土)}