メディア文化論[第2版]: 想像力の現在 (シリーズ メディアの未来)
- 作者: 遠藤英樹,松本健太郎,江藤茂博
- 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
- 発売日: 2017/08/21
- メディア: 単行本
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現代におけるメディア文化の見取り図を読者に提供していくための入門書/教科書として刊行された(はじめにiii)という本書は、海外の専門学者の論説の引用などあり学術的でありながら、『逃げ恥』や『時をかける少女』など、直近のエンタメなども登場し、それはそれで楽しい。
また、各章の最後についているディスカッションのテーマについても、学生にもどったかのようで、頭の体操になる。たとえばp225、「タイム・リープ」という言葉と時間移動に関するSF物語の約束事(ルール)について調べて、箇条書きで説明してみよう、などこんな授業だったら、わくわくするかも。
ただ、“入門”と言えるかどうかについては、メディアの範囲が広範にわたり、どこまで理解できたのか、おぼつかない面もある。
また、この本を発刊した出版社は初めてながら、京都で見かけたこともある気がして、京大のテキストから始まって学術・専門関係を扱っているのだと知った。
発刊したナカニシヤ出版のサイトに目次あり⇒ http://www.nakanishiya.co.jp/book/b308846.html
いくつか引用しながらメモ
◇『メディアはマッサージである−影響の目録』マクルーハン著p9で、「バックミラーごしに現在を見ている。未来に向かって後ろ向きに後進している」概念←挿絵も含めて、原本を読まないと理解が難しいか。
◇移動の時代におけるメディア的想像力
p52:『逃げるは恥だが役に立つ』における身体性の強調
p54:『君の名は。』における場所性の強調
p56: おわりに:「オタク」の終焉、「リア充」の終焉ー
2013年の初版を半数以上改訂した本書ということだが、これだけ最新の状況を入れようとすると、またすぐ改訂しないと行けないかも知れない、ということも心配した。
{2018/1/8-14読了、記入は1/19金夜}