読書録

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「ポスト真実」時代のネットニュースの読み方

「ポスト真実」時代のネットニュースの読み方

「ポスト真実」時代のネットニュースの読み方

 日経新聞の記者を15年つとめた著者が、ネットと新聞、テレビでのニュースの扱い方や違い、偽ニュースに対応できるメディアリテラシーの必要性など、具体例を交えながらわかりやすく解説している。

 「紙からネットへ」の議論を、マクルーハンの新聞論をネット論として読むと、胡散臭い存在で面白味が魅力だったのが当時は新聞で、今はネットだという指摘は、興味深く感じた。

 
発刊した晶文社のサイト→ http://www.shobunsha.co.jp/?p=4226


 著者は冒頭、2017年が、日本のジャーナリズムにとって転換点だったと言われる年になるのではないかとして、1)ネットの信頼性や倫理をめぐり、DeNA運営サイトで記事盗用や不備が指摘されたことで議論に火が付いたこと、2)SNSなど影響力が強まり、従来の伝統的なジャーナリズム論の限界が明らかになりつつある、ことの2つの理由をあげている。p004

そのほかいくつか注目されるポイントを以下に引用
◇ネットで配信した記事がどれだけ読まれるかは、それを読んだ第一読者がどれだけSNSなどで拡散するかに左右される世界になっているp23→ネットに流した記事のクリック率やSNS上での評価は一目瞭然にp25
◇メディアが提供する7つの価値:1)娯楽・暇つぶしの提供、2)共通の話題の提供、3)意思決定に必要な情報の提供、4)多様な意見の紹介・議論の場の提供、5)アジェンダセッティング(議題設定)、6)教養・学習・実用情報の提供、7)歴史の記録、
◇「ハゲワシと少女」の写真が投げかけた問題p64〜冷静な記録者として行動するか、一市民としての常識に従うか、の葛藤に悩むことはしばしばあるp69
◇新聞社もニュース速報としてネットに流すのが当たり前になってくると、一分一秒を争う競争にp96
◇偏向が生まれる3つのメカニズムは、物理的制約、政治的思惑、編集的動機p165-6
アインシュタインと秘書のたとえ話→得意分野で勉強するほうがいいp205



 


{2017/8/25-30読了、記入は9/2土}