読書録

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「パパは大変」が「面白い!」に変わる本

「パパは大変」が「面白い! 」に変わる本

「パパは大変」が「面白い! 」に変わる本

「パパは大変」が「面白い!」に変わる本 (扶桑社BOOKS)

「パパは大変」が「面白い!」に変わる本 (扶桑社BOOKS)

 「よい父親ではなく、笑っている父親になろう」をメッセージに、パパの子育て支援に取り組むNPO法人が2006年に設立されてから、はや10年。立ち上げに関わり代表をつとめる著者の活躍ぶりは素晴らしい。こうした本をまとめ、またサイトでの情報発信を含め、当時とは状況も大きく変わったものの、逆に「イクメン」圧力で疲れきっているパパに笑顔を、ということか。

 世代的にはほぼ同じで、それこそこのNPO立ち上げの頃、近くで開かれた絵本読み聞かせ活動イベントで、著者ご本人のお話も聞いたことがある。はるか昔のことになってしまったという印象もありつつ、働き方改革にむけた意識の改革が求められている昨今、改めて何をどうしたらよいのか、見つめ直したいもの。


発刊した扶桑社のサイト→ http://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594076528

NPO法人ファザーリング・ジャパンのサイト→ http://fathering.jp/


 職場で参考になりそうなポイントなど、一部以下に引用。
◇「イクボスプロジェクト=10条件を満たしている上司をイクボスと定義し、賛同企業を増やすp28〜30
1)理解:子育てとライフ(育児)に時間を割くことに理解
2)ダイバーシティ:ライフに時間を割いている部下を冷遇しない
3)知識:社内制度や法律を知っている
4)組織浸透:ライフを軽視せず積極的に時間を割くことを推奨
5)配慮:家族を伴う転勤や単身赴任に最大限の配慮
6)業務改善:育休取得者が出ても、組織内の情報共有作りチームワークの醸成、モバイルやクラウド化など可能な手段を講じる
7)時間捻出:ライフ時間が取りやすいよう、会議の削減、種類の削減、意思決定の迅速化、裁量型体制などを進める
8)提言:上司や人事部に、ライフを重視した経営をするよう提言している
9)有言実行:イクボスのいる組織や企業は、業績も向上することを実証
10)隗より始めよ:ボス自らワークライフバランスを重視し、人生を楽しんでいること
→パパを笑顔にするには、仕事一筋で来た管理職たちがこのイクボスに変わることが不可欠

◇産後不安になってしまうママを落ち着かせるために必要な3ステップは、「共感、受容、賞賛」p39

◇パパの苦悩6「家事・育児で競争に取り残される?」p103に対し、面白い!のコツp110
・幸福の物差しはたくさん持とう
・仕事から「半分降りる」のも一つ
・むしろ仕事にプライベートを持ち込もう
・社会を変えるファースト・ペンギンになろう!

◇著者の「おわりに」より、19年間にわたる子育ての中で確信したことp185-186
1)家族を大事にする
2)子育てを楽しんでいる
3)自分らしさと、多様性がわかっている
4)生活感覚が身についている。自分のことは自分でできる
5)家や会社に引きこもらず、つねに意識が他者や社会に向いている
 つまり、自分の選択した人生を肯定し、楽しんで生きる姿を子どもに見せること。これこそが「笑っている父親」の役割として一番大切なことです。子どもの幸せを願うなら、まずは父親自身が日々、進歩しなければならないと思います。笑顔の父親が家族をハッピーにし、社会を変えるのです。


 振り返ってみて、「子育てを楽しめたか」というと、喧嘩がたえず相当きつい時期もあったが、なんとか成人して今に至った。上記に引用した苦悩の6の組織からの評価については、なかなか変わらないので、思うところも多々ある。いろいろ経験はできたので、著者の書いていることは良く理解でき、なんとかこれから生かしていきたいものだとは考えている。

 ただ懸念するのは、あまりに「ライフ」が強調されすぎても、働き方に制約がある場合はともかく、もっと熱意をもってやればいいのに、これ以上仕事を増やさない、新しいことをしない、となってしまっているケースもあるように感じる。このあたりのバランスについても、さまざま取り組むことができるか模索したい。


{2017/8/5読了、記入も同日}