読書録

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スクープのたまご

スクープのたまご

スクープのたまご


 いわゆる「お仕事小説」なのだが、文芸出版社に就職できたと思ったら、週刊誌に配属され、取材に悩みながらも活躍する新人女性記者・信田日向子(しのだ・ひなこ)をヒロインに描かれた内容で、とても面白くまた感動した。このところスクープ連発の週刊文春の実態もこうなのかと想像させるようなエピソードも盛り込まれ、また、さまざまな伏線がハッピーエンドになっていくところもいい。

 元書店員という著者の作品は、今回が初めてだが、このままドラマ化しても面白いのではないかとも感じ、他のも同じ「千石社」を舞台にした小説があるとのことで、ぜひ読んでみたい。

 2016年夏のテレビドラマでも、仕事をテーマにした内容が多く、視聴率はそれほど伸びなかったが、それぞれストーリーがあって、なかなか見ごたえがあったと思う。『半沢直樹』『下町ロケット』や朝ドラなど、この流れがしばらく続いているということか?”お仕事”がテーマで、結構みていたドラマを以下に。
『家売るオンナ』日テレ、水曜22時、不動産
『せいせいするほど、愛してる』TBS、火曜22時、ティファニー
『営業部長 吉良奈津子』フジ、木曜22時、広告
HOPE〜期待ゼロの新入社員〜』フジ、日曜21時、商社 


発行した文藝春秋のサイト⇒ http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163904436


 ネタバレにならないよう、ただ週刊誌記者としての思いなど印象に残った文を以下引用
◇相手次第なのだ。信用できるかどうかを、常に判断しなければならない。p39
◇成果があってもなくても、とことん調べることに意味がある。週刊誌は、空振りや無駄足の積み重ねでできている。そこをおろそかにしたらおしまいだから。p48
◇疑うだけでもいけないらしい。常にニュートラル…色眼鏡を外せという忠告だった。p17
◇つけこむ相手を選り好みしない。週刊千石は、誰に対しても躊躇しない。p249
◇簡単には割り切れない心を持つ人間を、千石社は採用しているのだ。週刊千石に配属させているのだ。そういう人間の取材してくる内容が誌面を作る。p281
◇虚飾にまみれた嘘八百の、でたらめでいい加減なダメ記事ばかりだと、思う人はいるかもしれな。けれどそれでかまわないなら、こんなに手間ひまかけない。じっと祈ったりしない…訴えたい内容を余すところなく収集したい。そして活字にして多くの人に読んで欲しい。真実をひとりひとりに探してほしい。見抜いてほしい。p314


{201/10/01-02読了、記入は02}