読書録

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飛田の子 遊郭の街に働く女たちの人生

飛田の子: 遊郭の街に働く女たちの人生 (一般書)

飛田の子: 遊郭の街に働く女たちの人生 (一般書)


 国内にまだこのような場所があるのかと驚く「飛田新地」(動物園前駅だが、本著では、元経営者で現在スカウトを担当しているという著者が、店で働く女性たちとの喜怒哀楽を独白の形で描いている。前著では仕組みなども詳しく書かれているとのことだが、本著でも、15分で11,000円で本人5,000円、オバちゃん1,000円、残りは店(p17)とか、本通りや、青春、年金、妖怪など通りによって相場が違うことなどの記載もある。

 登場する女性たちは、離婚して助産婦をめざしたり、人妻が小遣い稼ぎのをめざしたり、もっとお金を稼ぎたいという元商社の総合職、本当のセックスを探す大学生などなどさまざま。

 著者はまえがきで、「女の子を使い捨てにして搾取するのはけしからん」という批判に反論したいとして2012年に前著『飛田で生きる』を上梓し(p3)、今回は、2013年5月に橋下大阪市長(当時)の従軍慰安婦発言問題から飛田が言及されたことでさらに逆風が吹くのではないかと懸念して、内情を知ってもらいたいと今回の本を書いたとのこと(p5)。

発行した徳間書店のサイト⇒ http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198636517

 
 援助交際やAV出演をめぐる議論など含め悩ましいが、こうした本が出ることで、これまでほとんど知られていなかったこうした世界・実態について、多少なりとも知ることができた。


{2016/10/1読了、記入は10/2}