読書録

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死ぬほど読書

死ぬほど読書 (幻冬舎新書)

死ぬほど読書 (幻冬舎新書)

 伊藤忠商事のトップをつとめて業績を回復させ、中国大使でも活躍した著者が、読書の意義について語っている。バックグラウンドで、名古屋の実家が本屋で、幼いころから文学や全集、好色本まで幅広く本に接していたことが紹介されている。その頃読んで感動したジャン・クリストフを55年後に読んだら2冊目で挫折したp38というエピソードは、なんか完ぺきではないところがあって、ホッとした。

 また、ハウツー本は読まずp60、週刊誌では「週刊エコノミスト」と月刊誌の「文藝春秋」の2冊だけ隅から隅まで読むp75、以前は週に3冊程度年間150冊程度読んでいたp105ことなど、ついついハウツー本にも手をだしたり、たくさんの週刊誌も目を通していることについては自省すべきか。


発刊した幻冬舎のサイト⇒ https://www.gentosha.co.jp/book/b10999.html


 読書の本ではあるのだが、生き方についても示唆に富む言葉があったので引用して以下にメモ。サイトの概要でも紹介している『「これは重要だ」と思った箇所は、線を引くなり付箋を貼るなりして、最後にノートに書き写す。ここまで実践して、はじめて本が自分の血肉に』ということをしたいと、字が嫌になるくらい汚い自分としてはこうして読書録にしているわけではあるので、ご容赦いただければ幸いです。


p27:人間にとって一番大事なのは、「自分は何も知らない」と自覚することだと私は思います。「無知の知」を知る。読書はそのことを、身をもって教えてくれます。

p41:私が考える教養の条件は、「自分が知らないということを知っている」ことと、「相手の立場に立ってものごとが考えられる」ことの2つです。

p45:(売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よしの倫理的精神はきわめて合理的な智恵で)自分の心に嘘をつかず、人のために仕事をすることがいかに大事か。だから私は仕事の心構えとして、自分自身と部下たちにひたすら「清く、正しく、美しく」と言い続けてきました。

p154:私は人が生きていく上で大事なのは、仕事と読書と人間関係と、そこからくる人間への理解であるということを繰り返しいい聞かせています。・・・私から見れば、たとえお金があっても、仕事をしないでぶらぶらしている人は不幸です・・


 読書と品性をテーマにしたところp152に、“沖仲士(おきなかし)”が出てきて、人間を理解する能力は学者より長けているという文脈で語られるところがあったが、これは”知らない”ことを自覚する意味でメモ。かつては船内荷役作業に従事する港湾労働者だったが、機会化で内容が変化し、このところは船内労働者あるいは船内荷役作業員という呼称が使われるとのこと・・・


 「仕事」についての著者の考え方には共感するのだが、先によんだ「女性活躍に翻弄される人々」などを考えると、理想と現実、やりたいことがやれるかどうか、いまだに解決策は見つからず、こうして本を読みながらさらに考えていきたい。



{2018/10/12-13読了、記入は同日13土}