読書録

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なぜ、彼女たちの働き方はこんなに美しいのか

なぜ、彼女たちの働き方はこんなに美しいのか

なぜ、彼女たちの働き方はこんなに美しいのか

 WLB関係の書籍はいろいろ目にしてきたが、本著では実際に役員などで活躍されている方々22人の取材をまとめていて、説得力がある。あわせて、単に女性だけではなく、いかに組織の中で仕事に向き合うかについても、考えさせてくれる。

 第3章で、編者が女性の就業継続と昇進の要因について考察を記しているが、まず女性が第一子出産までに6割がやめてしまうのは、長時間労働や、突然の残業や出張、転居を伴う転勤など「男性並みの働き方」が困難だからだと指摘するp231。

 そして女性登用に成功する共通項として、
「チャレンジングな仕事を与え、女性に成長機会を与えてくれた上司と出あったこと」
「社会的意義を実感できるような仕事の醍醐味を若いうちに味わったこと」P234をあげている。

 また離職する本当の理由として、「キャリアの長期的な方向性が見いだせないp241」ことだとし、2011に米のシンクタンク調査結果=日本の高学歴の女性の4人に3人が自発的に仕事を辞めており、その半分がキャリアの先が見えないことを理由に転職していると報告p241とのこと。このため、女性のキャリア形成には、
「配置転換によってキャリアの幅と深さを拡大すること」
「自分の将来のキャリアの見通しが持てること」p243が重要だという。

 まとめとして、女性管理職を増やす組織側の条件として次の5つをあげるp253
1)トップがコミットメントしている。
2)数値目標をもち、育成計画を作成し実行する。
3)男性管理職の意識変容を促し、女性に成長機会を与える上司を増やす。
4)女性の意識変容を促し、キャリア意識を高める取り組みをする。
5)組織全体の生産性を上げる働き方改革を実行する。

 個人側の条件として、次の6つのポイントを指摘するp254
6)チャレンジングな仕事を与え、成長機会を与えてくれる上司と出会う。
7)社会的意義を実感できるような仕事の醍醐味を若いうちに味わう。
8)配置転換によってキャリアの幅と深さを拡大する。
9)自分の将来のキャリアの見通しが持てる。
10)挫折や失敗から多くの学びを得る
11)「育児は女性だけがやるもの」という固定観念から脱する。
⇒なお冒頭p4では、取材対象者の共通項として「ミッションを持ち、お客さまのことを重い、部下の成長を願い、自分のヵ医者や事業がどう社会に貢献できるか考え、行動しているところ」とも表現している。


出版した日経BP社のサイトに目次あり⇒ http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/239760.html


また、取材を受けた女性の言葉から備忘録として以下⇒
p17:『第一評価者はお客さま』という哲学は忘れない
p22:管理職の面白さは、決裁権が与えられ、やりたいことができること。
p46:『小さいことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に』
p59:本質を見つめる
p70:嘘をつかないこと、そしてチャレンジを続けること
p95:権限や裁量を持つことで、自分が正しいと信じることを正義感を持ちやり遂げることができます。そうすることで、たくさんの人を幸せにすることもできると思う
p107:企業が将来の経営層を担う女性を育成するため「制度面の整備」「マネジメント」「本人の意欲と努力」の3つを挙げる。
p177:強みは「何事もできない理由は考えない。常にどうしたらできるか考え、ねだり強く仕事を向き合うこと」


{2/23-26読了、28記入}