読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

Nのために

Nのために

Nのために

本著は、2014年10〜12月金曜夜の枠でTBSがドラマ化され、あわせて文庫版も放送にあわせて本屋に並んでいたが、平日のこの時間にテレビドラマを見る習慣がなく、今回初めて物語に触れた。Nが入る登場人物それぞれに味わいがあり、また告白していくスタイルで真実が明らかになっていくストーリーなど、著者の作品はさすがというか、惹きこまれた。
ドラマの方は、視聴率は平均9%と振るわなかったようだが、第83回ザテレビジョンドラマアカデミー賞で最優秀作品賞を受賞するなど、内容については評価されたという。番組のツイッターアカウントも、46000人を超えるフォロワーがいて、逆にこれだけ評判がいいのに、視聴率との関係について気になった。
あと、読み方が悪かったのか、登場人物の一人、安藤望については、主人公の女性と一緒に石垣島にダイビングへ行ったという最初の筋から女性の友達と思っていて、p115で「安藤クン」という言葉が出てきて、そこで男性だったのか、と気づくという「アハ」体験ではないが、ちょっと驚いた・・


出版した東京創元社のサイト(特設ページへのリンクもあり)⇒ http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488024550

TBSのドラマのサイト⇒ http://www.tbs.co.jp/Nnotameni/


印象に残った言葉から引用
◇p49:杉下希美「自分が守ってあげたことを、相手は知らない。知らせたいと思わない。なのに、残された時間がわずかだと知ると、欲が出てしまう。あれからもう、十年も経つというのに…真実をすべて知りたい。そして、知らせたい」

◇(西崎真人の小説の内容を杉下が成瀬慎司に伝える)『灼熱バード』飼っている小鳥が、自分の意志で焼き鳥になるように、数日間えさをあげずにいて、熟したオーブンの中にえさを入れて、その中に誘導する話…海で自殺した恋人が貝殻に生まれ変わったって信じてる男の人の話…気が付いたら自分が大きな貝殻になっているp73-74←挿入される懸賞小説も不思議な内容

◇p152:杉下「誰かに愛されたいなんて思わない。愛されるための努力なんて絶対にしない。それがいかに愚かな行為であるかということは、痛いほど身にしみている」←今回、最も響いた言葉


{7/4-10読了、記入は12}