読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

日本語ふしぎ探検

同学年では遅い生まれなのに、なぜ「早生まれ」と呼ばれるのか?など、なんとなく気になっていたけど知らなかった素朴な日本語の疑問にいくつか答えてくれる。ちなみに由来は「数え年」という正月にはみんな一斉に年をひとつ加えるという考え方で、例えば小学校に入学する場合に4月2日以降だと数え8歳なのに、7歳で入学できる「はやあがり」になるから、と説明され、わかりやすい。
また、誤字は信頼をなくす恐れがある一方、夏目漱石の「坊ちゃん」の中では、「赤しゃつ」と1か所だけカタカナを使わなかったり、(借金を)「帰す」や「誤楽」を使ったりしているのも、意図に基づいた使い分けがされているという説が紹介されているのも、いま出版されている文庫本ではすべて修正されているとのことで、興味深かった。


日経ブック&ビデオクラブのサイトに目次あり⇒ http://www.nikkeibookvideo.com/item-detail/26267/

備忘録的に以下をメモとして残す。
◇本著では、5つの言葉の誤用や慣用に触れているかどうかで、辞書を分類リスト化しているが、すべて触れているのは、三省堂国語辞典(2008年)、と明鏡国語辞典(2010)ということも紹介している。p180
◇まだ読んでいない「舟を編む」が、辞書作りに明け暮れる主人公の編集者のモデルの一人が、会社倒産の危機を乗り越えて25年の歳月をかけて『大辞林』を完成させた倉島節尚大正大学名誉教授。p195
◇幻の国語辞典構想、というのがあり、試みをまとめた記録集『国立国語研究所「日本大語誌」構想の記録』が刊行されたという。この中から引用された、一人称代名詞(話し言葉の移り変わり)では、各時代ごとにいかに変化してきたかがわかり興味深い。奈良時代から使われていたのが「あ、あれ、わ、われ、まろ」など、明治時代以降に「あたくし、あたし、あたい、ぼく」などが使われ始めたという。また、「わたくし」は室町時代からという表になっている。p206
◇出身県をあてるという東京女子大学の学生が開発した「方言チャート」について、
ネットアドバンスが運営する辞書・事典サイト『ジャパンナレッジ』で公開されていると紹介されている⇒ https://ssl.japanknowledge.jp/hougen/index.php
ためしに使ってみようと試みたところ、「出身地とは、3〜4歳から13〜14歳に生活していた地域」と表示されたが、その頃は、2年ごとに居住地が変わっていたので、なんともコメントしずらい。とりあえず最後までやってみたが、出身地を特定しにくいなかで、結果は一度も住んだことがない地域だった。このチャートをやることで、改めて自分の出身地はどこか、ということに思いをめぐらすことになった。

{5/10読了、記入は16}