読書録

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報道記者のための取材基礎ハンドブック

報道記者のための取材基礎ハンドブック

報道記者のための取材基礎ハンドブック

『「本当のこと」を伝えない日本の新聞 (双葉新書)』を読んだあとなので、ではどういう研修を行っているのか、ちょうどこの本が目にとまって手に取る。マニュアルというより、著者が記しているように、「発想や考え方の進め方」の方法論として、心理学なども引用しながら、うまくまとめられているように感じた。こうした研修をすれば、決して「本当のことを伝えない」ことにはならないはずなのだが。


印象に残った内容概略
◇デスクが守る3つの鉄則:「時に冷酷になれる」「公平性を保ち、誰とも等距離」「総局員のために時間と情熱を惜しまない」p142
◇ピラミッド型構造のための4つの合言葉:「イシュー=検討すべき論点、考える話題」「So What?=それって、どういうこと?」「True?=本当か?」「Why?=なんで?p160+議論では4原則(自由奔放、数を出す、関連させる、批判しない)でブレスト
◇新人研修では半年が重要:W・グラッサーによる人の欲求 1)帰属感、2)力/達成感、3)楽しさ、4)自由、5)物理的安全p171
◇職業選びの判断3項目;1)才能とと能力-CAN-これが出来る、得意だ、強みだ、2)動機と欲求-WANT-望みや人生の目標、3)態度と価値観-LIKE-好きで誇りを感じ落ち着くp173 数年かけて首尾一貫、統一性のとれた職業人としての自己概念へ
◇自己効力byアルバート・バンデューラ:成功体験、モデリング(代理体験〜先輩をまねる)、社会的説得(他者によるプラス評価)、生理的・感情的状態(落ち込んでいるときはうまくいかないなど)p175
◇半年研修の実際:今の状態は?ハッピーになれる瞬間は?今の自分を振り返ってみよう、どう見られているかな?皆さんの課題は何だと思いますか?p178〜
◇目標設定の米コーチングでSMART理論:Specific具体的 Measurable計測可能 Achievable達成可能 Realistic現実的 TimePhased期間限定 p182
◇集団研修が有効な心の4つの窓(ジョハリの窓):縦軸は他人に知られている、知られていない、横軸に自分が知っている、知っていないで、1)開放領域、2)気づかない領域、3)隠した領域、4)未知の領域⇒自分を理解し他者を理解して深まるp187


あとがきで、優れた実績をあげた記者は、天性のひらめきで取材先に切り込むタイプと、情報を分析し論理的に考えるタイプに分かれるように思うと振り返っているが、冒頭に紹介した本の著者マーティン・ファクラーニューヨーク・タイムズ東京支局長は、前者のタイプだろうか…


{6/21読了、記入は29}