読書録

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論語なう

論語を2500年前のツイッター孔子のつぶやき、という発想から、『孔子なう』というアカウントでなう語訳を始めた著者の試みは面白い。
どちらかというと儒教=お上のいうことに従う、というイメージがあったが、本著では、孔子のさまざまな側面を紹介し、さまざまな解釈があるとする。
p40〜で、「道徳を中心にした政治を実現すれば、微動だにしない北極星を中心に、星々がその周りをめぐるように民が従うようになるね」と訳した解説では、孔子の考え方が「親子の情愛を社会関係にまで拡張すれば理想の社会が実現できる」というもで、「人類は一つの家族」と考えていたという。また、税率を下げることで民が豊かになれば国が豊かになるとして民に経済活動を促す姿勢を「民主的な考えを持った革命家と言える」というのは、ちょっと持ち上げすぎかとも思うが、そういう側面もあったということか。


また、本著では孔子につながる弟子たちの紹介もあり、子路(しろ:衛で大出世)、顔回(がんかい:若くして死亡)、子貢(しこう:秀才)を愛す一方、ぜん求(税の取り立て)、宰我(さいが:頭脳明晰ながら人をバカにする)は見限る、など、あまり知らなかった話で、孔子の人柄がわかる。また、社会に役立とうとしながら、終生、恵まれなかった孔子という存在そのものが、時代と人物のありようについて考えさせられる。


それにしても、孔子のつぶやきは奥が深い。
◇…五十にして天命を知る。六十にして耳従う。七十にして心の欲するところに従って、のりをこえず。
◇温故知新:故きを温ねて新しきを知る。もって師となるべし。
◇過って改めざる、これを過ちという。⇒間違いを犯したのに、改めようとしない。それを「間違い」って言うんだよ!

というところは定番だとは思うが、最近の職場や子どもの進学を見ていて思うのは、次の言葉。

子曰く、これを知る者はこれを好む者にしかず。これを好む者は、これを楽しむ者にしかず。
⇒どんなことでも、知識をもっているだけのやつは、好きでやっているやつには勝てない。好きでいやっているやつは、楽しんでやっているやつには勝てない。


元日に読み終えておきながら、いままで記録に残しておけなかったが、ようやく書けた。
本年は、この論語の精神で“楽しんで”いろいろやりたい。


{12/30-1/1読了、記入は1/15}