読書録

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大往生したけりゃ医療とかかわるな

大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)

大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)

副題にある『「自然死」のすすめ』を、自らの経験や実践してきた生前葬など取り組みを紹介することで、ある意味、説得力がある。「死」という自然の営みは、本来、穏やかで安らかだったはずです。それを、医療が濃厚に関与することで、より悲惨で、より非人間的なものに変貌させてしまったのです」(p5)というのは、胃瘻など考えると、その通りかも知れない。いつどうなるかわからない中で、こうしたことも普段から考えておく必要が、そろそろ出てきたとも言えようか・・総選挙前にバタバタして忙しいけど、あと6か月しか生きられないとしたら・・は常に心に置いておくべきことかもしれない。



(要旨−扉)
3人に1人はがんで死ぬといわれているが、医者の手にかからずに死ねる人はごくわずか。中でもがんは治療をしなければ痛まないのに医者や家族に治療を勧められ、拷問のような苦しみを味わった挙句、やっと息を引きとれる人が大半だ。現役医師である著者の持論は、「死ぬのはがんに限る」。実際に最後まで点滴注射も酸素吸入もいっさいしない数百例の「自然死」を見届けてきた。なぜ子孫を残す役目を終えたら、「がん死」がお勧めなのか。自分の死に時を自分で決めることを提案した、画期的な書


(目次−引用)
第1章 医療が“穏やかな死”を邪魔している;
p16:私の考える「医療の鉄則」… 1.死にゆく自然の過程を邪魔しない 1.死にゆく人間に無用の苦痛を与えてはならない
p40:「治療の四原則」 1.自然治癒の過程を妨げぬこと 2.自然治癒を妨げているものを除くこと 3.自然治癒力が衰えている時は、それを賦活すること 4.自然治癒力が過剰である時には、それを適度に弱めること


第2章 「できるだけの手を尽くす」は「できる限り苦しめる」;
p56:医療の虐待のみならず、「食事介助」「生前湯灌」「吸引」などの介護の拷問を受けることなく死ぬことは、至難になっています。


第3章 がんは完全放置すれば痛まない;


第4章 自分の死について考えると、生き方が変わる;
p149:功徳 1.目をつぶる瞬間、「いろいろあったけど、そう悪い人生ではなかった」と思え 2.親しい周囲との永遠の別れに対しても感謝することができ、後悔することが少なくてすむ
p150:具体的な行動15項目の表のうち:4「余命6か月」を想定し、したいことの優先順位を書き出す は今もしておいてよいことか。


第5章 「健康」には振り回されず、「死」には妙にあらがわず、医療は限定利用を心がける;
p188:世の中は 今日より外はなかりけり 昨日は過ぎて 明日は知れず 今という 今こそ今が 大事なり 大事の今が 生涯の今


終章 私の生前葬ショー
p201:事前指示書1 1.できる限り救急車は呼ばないこと 1.脳の実質に損傷ありと予想される場合には開頭手術は辞退すること 1.原因のいかんを問わず一度心臓が停止すれば蘇生術は施さないこと 1.人工透析はしないこと 1.経口摂取が不能になれば寿命が尽きたと考え、経管栄養、中心静脈栄養、抹消静脈輸血は行わないこと 1.不幸にも人工呼吸器が装着された場合、改善の見込みがなければその時点で取り外してさしつかえないこと

p206:事前指示書2 1.使い古しの臓器は提供しない 1.葬儀式は簡素に家族だけで、遠方のものには連絡せずとも良し、葬儀会館使用も可 1.読経、死後戒名は不要 1.告別式不要、供花、香典は辞退すること 1.死体処理は完全に灰にするか、凍結乾燥粉骨で肥料にせよ 1.年忌法要、墓石詣りは不要

p208:送る言葉 1.起きて半畳 寝て一畳 天下とっても二合半 1.天命に任せて人事を尽くせ 1.縁を大切に 1.渋柿の 渋がそのまま 甘さかな 1.人生は「苦」(ドゥフカ、思い通りにならないもの)であると明らめよ 


{12/1-3読了、記入は9}