読書録

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ロジカル・シンキング

ビジュアル ロジカル・シンキング (日経文庫) (日経文庫ビジュアル)

ビジュアル ロジカル・シンキング (日経文庫) (日経文庫ビジュアル)

議論や討論、報告の際に、よくわかる方の話し方というのは、このロジカルシンキングがしっかりできているということだろう。本著を読むと、こういう発想・説明の仕方が説得力があるのだろうと納得する。自分の場合、この部分で結構、「わかりにくい」と課題を指摘されてきたことがあるだけに、日々、学習をしていかなければいけないと思う。こうしたノウハウは、自然に身につく人もいるかもしれないが、自分は意識して習得していく必要がある。それにしても、英語の短縮型MECEや4P、CRF、SMARTなどが多いが、合理的な英米から入ってきた体系だからだろうか。覚え方というより、自然に発想できるようにしたい。一方、コラムで挿入されていた話のように、あまりにロジカルすぎても家庭不和になりかねないところもある。海堂作品のロジカルモンスターが面白いのは、そういう世間離れしたところであるのかとも思った。いかん、この文章自体が、全然ロジカルでないことで、また反省。


(目次ー引用)
第1章 ロジカル・シンキングは仕事の常識;
◇「正しく考えること」で、基本は、物事を構造的に分解して捉える『ピラミッド構造』と、モレなくダブりなく考える『MECE』の二つ。
◇視点を広げる「ラテラル・シンキング」は正しく発想するため「水平思考」で、コトラーは、代用する(以下、著者例:おサイフケータイ)、逆転する(炭酸を振る飲料)、結合する(アイフォン)、強調する(エコバック)、除去する(ノンアルコール)、並び替える(食べた分だけ料金を払う)、の6つの着眼点が大事という。


第2章 ピラミッド構造で論理的に考える;
◇分解の切り口(ゴールデンカット)が大切。構造は四則演算の集まり。逆、裏、対偶の法則で論理をチェック。


第3章 モレなくダブリなく考える;
◇的外れになっていないか(顧客の立場から)、前後左右上下へとビッグピクチャーを広げる。
見える化する面積図、大きな四角で全体、中に構造を。大切な要素をXとYに絞る。たとえば地域軸と年齢軸、時間軸と空間軸。マトリックス
◇わからないときはグルーピングから始める=意味ある固まりに分けてこそ役に立つ⇒KJ法。


第4章 ロジカル・シンキングで問題解決;
◇問題とは、あるべき姿と現実とのギャップ。まずはWhatから、Howへ進んでいく。
◇問題発見の4P活用、Purpose目的:何のため  Position立場:誰にとっての問題か  Perspectives空間:思考が十分広がっているか  Period時間:どの時点の問題か。ex社長:売上⇒企業価値、自分⇒組織、競合⇒グローバル、任期⇒10〜20年先。
◇立場によって問題は変わる:低金利で資産家とローン、社員のスキルで採用か研修か。
◇常にその時点での答え「仮説」を持とう、情報の海に溺れず正しい答えにたどりつく
◇なぜを5回繰り返す:裏返しではなく本質へ。例:日本製品ガラパゴス化←(製品の視点)日本の顧客が高機能なものを求める←(顧客)日本の顧客がたくさん買ってくれる←(所得の視点)人口が多く裕福だから←(政策の視点)戦後良いものを安く作ったり輸出してきたから・・
◇Why so?なぜそう So What?だから何なのか True?本当か を常に繰り返す。答えの精度が上がる


第5章 思考の質を高める;
◇情報量と思考量は反比例する。現象ではなく構造(システム)を考える。鳥の目(俯瞰して比較)・虫の目(現場目線)で考え、セルフディベート
◇グラフで考え、類似相関を見抜く。
◇キーワードに逃げ込まず、とことんまで考え抜く。何のために考えているかを忘れない:仮説を意味あるものに。(ex他社の成功例)


第6章 説得力を高めるロジカル・コミュニケーション;
◇★アンサーファースト:まずは結論から。
◇重要なポイントは3つ!と宣言することで全体像を理解/整理できる。
◇★説得力が増すCRFの原則:Conclusion結論 Reasons理由 Fact裏付け の順で物事を説明する。
◇事実・認識・意見は明確に分ける。
◇一次(生の情報)、定量的(〇%など数字で)、中立的情報(顧客や第三者機関のコメント)を重んじる。
⇒30秒以内に伝えるエレベータートークシリコンバレーの起業家がエレベーターでベンチャーキャピタリストを捕まえて説得


第7章 ロジカル・シンキングの訓練法;
◇日常の出来事から数字感覚を養い、「勝手にテコ入れトレーニング」(自分だったら)を行う。
◇頭の引き出しを増やす:10個程度の考えるパターンを自分なりに分類、整理しておくとアナロジーが働き、問題のとっかかりが見えてくる。
◇未来のシナリオを作ってみる⇒引き起こすキードライバー(要因)を考え、ダイナミックに。
◇★思考の「見える化」をする⇒考えを進化させる。ホワイトボードを使って全体像を明らかに。
◇宙ぶらりんに耐える=思考途中で寝かせることで、考えを熟成させる。ヒラメキの三上(さんじょう)=馬上、枕(ちん)上、厠(し)上。
◇常にワンランク、ツーランク上の立場で考える。
◇目標設定はSMARTに考える⇒Specificやるべきことが具体的か Measurable定量的に測定可能か Agreed upon目標に納得しているか Realistic目標は現実的か Timely最適なタイミングであり期限が決められているか。 

⇒p158:もし、考えたことがしっかりと相手に伝わらなければ、それは自己満足にすぎません。また、相手に伝わったことがしっかりと現実のものとなっていかなければ、それは価値を生んでいないことになります。問題設定から問題解決策の発見、その最後の仕上げは行動です。


{10/28-30読了、記入は11/2}