- 作者: 布施克彦
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2011/11/16
- メディア: 新書
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海外経験豊かな著者が、ことわざを通して日本人の常識が世界に通用するかどうか考察するという扉のPRで、ことわざを復習し、英語をはじめ世界ではどのような似たような言い回しがあるか、知識の確認には良い。
ただ、僕が大好きな「明日は明日の風が吹く」「Tomorrow is a new (another) day」、スペイン語の「ケセラセラ」、「アラブのIBM」などについて、風にまかせて大丈夫かと疑問符を付ける著者の考えには、これまで苦労をあまりされていない方のか、寂しい気がした。「後ろ向きの人をこの言葉で励ましたりする」と(p208)と指摘し、「明日を風に託すと言えば、日本人はずいぶん主体性のない人たちだと思われるだろう」(p210)といわれても、どうにもうまくいかなくなったときは、この言葉でなんとか乗り切ってきただけに、悲しくさえなる。
また、グローバル時代に「損して得とれ」「Win by losing」は、あす何があるかわからないからと否定的に、「地獄で仏にあったよう」については、仏教国でなくても慈悲はあるなどと指摘しているが、どうも本質的なところで違和感が残った。
{5/21-23読了、記入は31}