読書録

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 韓国は、なぜパチンコを全廃できたのか

なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか(祥伝社新書226)

なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか(祥伝社新書226)

著者は、自分さえよければ人のことはどうでもいいという最近の風潮が、パチンコの被害に関心を持たなくなり違法がまかり通る世の中になっている。パチンコ依存症による被害者が無視され、犯罪の多発や、自殺者増加の原因にもなっていると主張する。保守系のCS放送でも取り上げられ、ネットでは在日の資金源になっているからパチンコ業界を潰すべきだという主張も目立つようになった。前提として、パチンコは悪、なぜ潰せないのか、というテーマ設定にたち、その背景が、マスコミが取り上げず、深く食い込まれているからだ、という本著の分析は、あまりに単純化しているような気がする。なぜパチンコ経営に在日の関係者が多いのか、どういう歴史的背景があるのか、この問題は、もっと根深く難しいと思うのだが。

6/07の朝日新聞で、この論議に対する反論を、POKKA 吉田氏が、「韓国で撤廃されたのはパチンコではないし、理由は汚職が背景」と書いていた。また、景品交換の3店制度については、大阪府警以来50年にわたって認めてきただけに、今さら違法と警察が認めるわけにはいかないと紹介し、なるほどと納得する。こういう多角的な情報をきちんと紹介することも必要だと思う。


(帯−引用)
韓国にできて、日本にできない恥辱。日本は、まともな国といえるのか!?
韓国では、往時にはパチンコ店が1万5000店、売上高は日本円にして約3兆円にのぼった。それが、2006年の秋に全廃され、いまは跡かたもない。だが、その事実を伝えた日本のメディアはなく、それを知る日本人は、いまもほとんどいない。日本でいち早くそれをレポートした著者は、その後も何度も韓国を訪れ、なぜ韓国にそれができたのかを取材した。そこから見えてきたものは、日韓であまりにも対照的な社会の実態だった。


(目次ー引用)
1章 なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか
・韓国のパチンコ全廃を報じなかった日本のマスコミ;
タクシードライバー、キム氏の話;
・韓国人向けカジノ「江原ランド」のその後;

2章 なぜパチンコは、廃止されねばならないのか
・パチンコ店店員も依存症になる世界;
・ターゲットは、年金生活者と主婦;
・月一〇〇万負けるのは、珍しくもなんともない世界;
・パチンコ問題に目を瞑るマスコミの責任;

3章 なぜ日本は、パチンコを廃止できないのか
・パチンコ業界のアドバイザーに名を連ねる政治家たち;
・韓国にできて日本にできないという恥辱;

{5/26-27読了、記入は6/8}