読書録

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『学歴分断社会』 吉川徹 著

学歴分断社会 (ちくま新書)

学歴分断社会 (ちくま新書)

子どもの高校受験結果がまもなくすべて出るが、どうも思わしくない様子。
これまで頑張ってきたのに、結果が伴わない場合、どう励ましてあげればよいのだろう。

それにしても受験は思い出すのもあまり気持ちがいいものではないが、なぜ受験でより良い大学を目指すのか。
この本を読めば背景が、これまで公式的には語られにくい「学歴格差」であることは一目瞭然である。
それでは解決策はあるのかといえば、本著作を読んでも納得いく解はなかなか見つからない。
むしろ豊かさを向上させるしかないということなのか。


(目次-引用)
第1章 変貌する「学歴社会日本」;

第2章 格差社会と階級・階層;

第3章 階級・階層の「不都合な真実」;
p110:みんなを幸せにするには結局、格差や不平等の是正ではなく、豊かさの向上が最も効果的な方法である(あったのだ)という当たり前の事実

第4章 見過ごされてきた伏流水脈;
p131:(日本で学歴が際立つのは、1.階級区分がない、2.大卒と非大卒の分断が長く続く、3.雇用の流動化による職業階級の重み

第5章 学歴分断社会の姿;
p141:(学歴の効用はステイタス)
p143:(高学歴同士のダブルインカムで高所得となりはじめ、世帯間の所得格差を大きくしている)
p146:ヴィーナスの腕の効果→大卒の母親が子供の学歴競争を導く

第6章 格差社会論の「一括変換」;
p164:階級帰属意識を決める要因は、経済的な豊かさと学歴→低収入と低学歴が下流を自認させる。
p166:インセンティブ・ディバイド=苅谷剛彦「階層化日本と教育危機」出身階層による高校生の意欲の格差/「希望格差社会」の山田昌弘は若者たちの将来展望に階層差がある

第7章 逃れられない学歴格差社会
p190:学歴分断線こそが格差現象の正体なのだー。
p224:大卒層と高卒層も、それぞれのメリット、デメリットを、これらの例と同じようにうまく分けあいながら、お互いを尊重し、共生していく道を探らなくてはなりません。
p227:格差論 正体見たり 学差論(がくさ)。

{図書館から借り2/19読了、記入は26}