読書録

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 鴨川ホルモー

鴨川ホルモー (角川文庫)

鴨川ホルモー (角川文庫)

ありえない設定・あほらしい展開なのだけど、ぐいぐい引き込まれていく面白さ。自分も青春時代に体験したような叶わぬ恋とうまくいかない関係に悶えつつ、今回、初めて万城目氏の本に触れたが、読後感は、どことなく清々しい。京都が舞台で時代や場所のディテールに凝っているところは、京都に少しでも住んだことがあり、場所が思い浮かぶものとしては、嬉しくなってしまう。という点では、『夜は短し歩けよ乙女』を読んだ後と同じような印象も受けた。


気に入ったフレーズから、あまりに青春もの的だけど、次の文章→
p252:勝ちたいー奮えるような気持ちで思った。もちろん、我々にはどうしても勝たなくてはいけない理由がある。だが、そんなものは、もうどうでもよかった。それよりも、もっと大切なもののために戦いたかった。自分のためではなく、高村のために三好兄弟のために、そして何よりも、楠木ふみのために勝ちたいーと思った。


(扉ー引用)
このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片思い。祇園祭宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる、疾風怒涛の狂乱絵巻。都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居。「鴨川ホルモー」ここにあり。

金原瑞人さんの推薦文案(p296〜)から、「・鬼や式神を使って、大学生が戦争ごっこ?おいおい・・と思っていたら、驚くほどあざやかな青春小説だった!」

{6/14-16読了、記入は18}