- 作者: 北岡元
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2008/03/15
- メディア: 新書
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こうした分析方法があったとは、これまで知らなかった。知的刺激を受ける本。
ルービンの花瓶という、花瓶とも人が向き合っている顔ともとれる絵は、実際にどちらなのか?ベテランの直観が必要となる部分もあるわけで、そこから「イラクの大量破壊兵器があったのかどうか」という分析の問題に入っていく。
何度も繰り返される「ベースレートの誤信」で紹介される事例は、こういう説明を受けないと間違えそうだ。数学的、確率的説明が出てくるが、「ベイズの定理」がどのようなものなのか、今一つわからないところも残った。
競合仮説分析は、シュミレーションゲームをしているような感覚で、様々な情報にC(整合する)とI(整合しない)を表にしていきながら分析する、という手法は、実生活や仕事のうえで、ほかにも利用できるような気がした。サイエンス的な手法というのは、情報が多岐にわたり大量な場合、有効なのだろうが、それと直観というアート要素もないといけないのだろう。
(目次-引用)
第1章 問題解決のための基礎知識;
第2章 過去を解明する、未来を予測する;
1.失われた過去を発掘する
2.来るべき未来を予測する
→分析者を悩ますシークレットとミステリー:「確かに存在するが、現時点ではアクセスできないもの」と「実現してはじめてわかること=存在自体が不確かなもの」
第3章 知識と経験・五つの落とし穴;
1.大切なのは直観かメソッドか
2.なぜ直観は誤るのか
3.確率の初歩的ミス-典型のヒューリスティクス
→ベースレートの誤信(全体の中での割合を忘れる)、ギャンブラーの誤信(起こる可能性を高く見積もる)
4.一見が百聞に如かないこともある:利用可能性
5.すべてに原因があるとは限らない:因果関係
6.一度できあがった見方は変わりにくい:修正/アンカリング
7.結果を見て「自分は予測していた」と思いたがる:後知恵
8.人はインフォメーションの洪水に溺れやすい
第4章 正しい情報分析の技術;
1.仮説を適度に見なおす→ベイズの定理「新たな変化を、これまでの積み重ねによって相対化する」
2.仮説にこだわらない
3.リンチピン分析とは何か(これが変わると分析全体が変わってしまうような重要な前提)
4.分析結果どうしを競わせる
5.グループで分析する
6.大量のインフォメーションを処理する
第5章 ケーススタディで見る競合仮説分析(ACH);
終章 正しい判断をするために;
分析の重要性を認識する
アートとサイエンスを融合する→1.直観の使用を恐れない、2.直観にともなうバイアスを軽減する、3.リンチピン分析的思考を身につける、4.グループ分析の問題点を知る、5.大量のインフォメーションをサイエンスとアートで処理する
{2/22-25読了、27記入}