読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

 ダメ情報の見分け方

ダメ情報の見分けかた メディアと幸福につきあうために (生活人新書)

ダメ情報の見分けかた メディアと幸福につきあうために (生活人新書)

ネットに玉石混交の情報が溢れる中で、3人の若手の専門家が、いかに情報とつきあっていくか、具体的な事例やこれまでの学問上の成果を紹介しながら論じていく。サンデル教授のコミュニタリアニズムも登場してきて、興味深い内容だった。

このうち、飯田准教授が新たに提示した3つのポイントは、前著「ダメな議論」の5つのチェックポイントが多すぎるという反省にたって絞ったものだという。ちなみに、今回省かれたのは、不安定性と比喩例話以外の根拠がないというポイントとのこと。

情報が多すぎてストレスがたまる、といのは確かにあるように思う。しっかり見分けていかないといけない。


(目次-引用)
第1章 「騙されないぞ」から「騙させないぞ」へ―ウェブ時代の流言リテラシー 荻上チキ
1メディアの屈折作用;

2メディア・リテラシーの四類型;権力に騙されるな!、商業主義に踊らされるな!有害情報をシャットアウト!、メディアバイアスに注意

3ウェブ時代の流言リテラシーミクシィ破産(2010/08/11)、みのもんたが駒野選手の母にインタビュー(2010/6/30)など→R(Rumor流言)=i(importance重要さ)*a(ambiguity曖昧さ)オルポートとポストマン

4バッシングと政治流言;流言の言い訳でマッツァの漂流理論→責任の否定、加害の否定、被害の否定、非難者への非難、高度の忠誠への訴え

5「流言を拡散する側」から「流言を検証する側」へ;取得(外在的チェック)→判断(内在的チェック)→発信(是正へのコミット)
p79:流言やデマを放置せず検証すること。拡散というアクションを安易に行わないように注意すること。いまよりも流言を広がりにくい環境にすること。
p10:【処方箋】「市民」が流言やデマを広めないように、失敗の歴史を通じて、基礎的な「チェック」の方法を理解し、拡散を控えるようにすること。加えて、専門知を持った人が、より「確からしい情報」を提示すべく、メディアを通じて市民に応答することで、流言が広がりにくい環境を作ること。


第2章 情報を捨てる技術―データ検証から確率論まで 飯田泰之
1リテラシーはなぜ必要か;

2まずは退けるべき三つの言説;
p101・無内容な話を見抜く、・定義が明確でない話を見抜く、・データで簡単に否定される話を捨てる
→凶悪犯罪は増加している、円高ではなくドル安である→データで否定

3より良い情報受容のための手法;
p134:ある施策の効果を知るためには、やった場合とやらなかった場合、成功例と失敗例の4パターンが必要なのです。
p10:【処方箋】「とんでもなくダメ」な情報を捨てる技術を今よりも共有し、「確からし情報」が流通しやすい環境を作り上げることで、情報を絞り込む技術を「少しずつ」拡大していくこと。個人の能力を「少しだけ」底上げすることで、そのあとは自由なセナたくをしたとしてもそこそこやっていける環境を作ること・


第3章 メディア・リテラシーの政治的意味―「偏った情報」とどうつきあうか? 鈴木謙介
1メディア・リテラシーの政治的傾向;

2社会の多様性はなぜ重要か;

3社会の多様性が政治にもたらす影響;

4それでも僕たちは選ばなければならない;
p10:【処方箋】「何が事実か」をめぐる議論は、常に「何が(この社会にとって)正しいか」「何なら(私たちの情念が)受け入れられるか」という価値論争をふくんでいるという事実から目を背けないこと。そうした「メディア・リテラシー論」が誰によって何に向けられた議論なのか、常に問い直していくこと。

{1/24〜25読了:PC壊れていたためしばらく中断、記入は2/5土曜まとめて:以降は簡易に}