読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

これから「正義」の話をしよう

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学

テレビの白熱授業で評判になり、予約してようやく借りることができた本だが、読むのに1週間以上かかってしまった。テレビは始めの方は少しは見ていて、どういう流れになっていくかと関心を持っていたが、それぞれのテーマについて、考えさせられることが多い。自由と平等のいずれを重視するのか、その背景としての思想哲学、それこそ簡単にまとめるのは極めて難しい。

p355:われわれは正義に対する三つの考え方を探ってきた。第一の考え方では、正義は功利性や福利を最大限にすることー最大多数の最大幸福ーを意味する。第二の考え方では、正義は選択の自由の尊重を意味するー自由市場で人々が行う現実の選択(リバタリアンの見解)であれ、平等な原初状態において人々が行うはずの仮説的選択(リベラルな平等主義者の見解)であれ。第三の考え方では、正義には美徳を涵養することと共通善について判断することが含まれる。もうおわかりだと思うが、私が支持する見解は第三の考え方に属している。
功利主義では、計算の対象とし、統一した価値基準にあてはめ質的な違いを考慮しないことが問題で、自由に基づく理論では、道徳的価値や共有する特性も正義の領域を超えてしまう)
公正な社会を達成するためには、善良な生活の意味をわれわれがともに考え、避けられない不一致を受け入れられる公共の文化をつくりださなくてはいけない。

p345:道徳に関与する政治は、回避する政治よりも希望に満ちた理想であるだけではない。公正な社会の実現をより確実にする基盤でもあるのだ。


もう一回読むとともに、録画した番組を順次見ていこう。この本はまた、買って手元に置いておきたい。

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