読書録

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eの悲劇

eの悲劇 (講談社文庫)

eの悲劇 (講談社文庫)

(扉ー要旨より)
eビジネスで成功し時代の寵児となった男は、なぜ大銀行のビルから飛び降りようとしたのか。安値更新していた株が急騰、最新設備を誇る外資系通信会社で何が起こったか―証券会社を辞め、警備会社に再就職した中年男が直面する事件の数々。刻一刻と進化する経済社会を生き抜く人間たちを熱く描いた傑作。


主人公の篠山孝男と若い藤木達也が登場するこの物語は、昔のテレビドラマ「男たちの旅路」の鶴田浩二と水谷豊のようなイメージが頭にうかんで、4つ目の2000年の信号などは、最後にホロッとくるところもあった。絶望的な状況に陥りながら、主人公がかつて話したという次の言葉が印象に残る。

p216:「どんなときも、人は、その人に乗り越えられるだけの試練しか与えられないものなんだってね。だから人は、必ずそれを克服できるだ能力があると信じていいんだって」

また著者の主人公を描いた思い、「勝ち組と負け組」という選別・淘汰への疑問があることをあとがきで知り、なんとなくホッとする。

{同日記入}